試作品。/カメレオ
1.ニート姫
2.How much?
3.21世紀マン
4.評論家的ダンスナンバー
5.疑似コミュニケーション
カメレオによるDemonstration album、「試作品。」を紹介。
現在は完売していますが、会場限定シングル「愛と憎しみは紙一重」を追加収録した復刻盤がリリースされるようです。
メンバーは、全員、ex-カル・ヴァリ。
カル・ヴァリは、初期の不思議で切ない路線から、徐々にキラキラした派手な音楽に推移していましたが、このカメレオでは、その延長線上・・・というより、だいぶ吹っ切れた様子。
現実感があるテーマの歌詞に、デジタルサウンドを駆使した、少し懐かしさのあるコテオサ風味に仕上げてきました。
イメージは変わったけれど、センスは相変わらず抜群。
ダークなテイストのある演奏と、キャッチーな歌メロのミスマッチに、キラキラしたシンセや、スクラッチにサンプリング音。
どのように音を重ねてくるのかが、まったく読めない。
サビだけ切り取ったメドレーにしてしまえば、ただのお洒落系で終わってしまいそうなところなのですが、全貌を通して聴いてしまうと、ガラっと印象が違ってくるから面白いです。
特に、デモ音源として配布もされていた「ニート姫」がキラーチューン。
ドラマ仕立てのような台詞と音での場面転換という工夫により、バタバタと展開していく構成に意味を持たせています。
サビになると、王道感のある疾走メロディアスに移行するあたりも、よくわかっている。
他の曲についても、おもちゃ箱をひっくり返したような構成が目白押しで、ワクワクしますね。
早口でまくしたてる「How much? 」は、意外にもハードさを押し出しており、「21世紀マン」は、上モノのギラギラしたサウンドが、全部盛りのようなアレンジに馴染んで、独特の雰囲気。
「評論家的ダンスナンバー」には、皮肉が強めながら、耳を奪われるメロディアスさがあり、最後の「疑似コミュニケーション」では、激しく、重く、だけどキャッチーさも忘れない、彼ららしい締めくくり。
この内容で、1,000円とは、お得感たっぷり。
復刻盤は、2,100円と、曲数相応のお値段になっていますが、DVD付のようなので、どちらにせよ割安感はあるでしょう。
新人バンド、というと違和感があるのだけれど、これは確かに期待度の高いバンドが登場しました。