- StAnd by my Soul/FAME
- ¥3,150
- Amazon.co.jp
1.ROUTE 26
2.BAD TIMES
3.POWDER(36°のカプセル)
4.太陽が君で、月が僕だから…
5.That's "BRAIN HIT!"
6.ISLAND CLASSIC
7.メランコリアで眠れ
8.Fence and Colors
9.Ballerina
10.ONE WITH LOVE ~Soulful Sunrise~
11.StAnd by my Soul
DIE IN CRIESのベーシストであったTAKASHIさんが、BUGに加入する前に在籍していたFAMEの2ndアルバム。
ボーカルのMAHIROさんは、現在、フジ・プロダクションの社長としても知られています。
このアルバムを、一言で語るなら、「トレンディ」だと思う。
1stは、BOØWYを彷彿とさせる典型的なビートロックで、これはこれで格好良いのですけれど、1998年という当時からしてみても、多少古臭さが残るものでした。
しかし、半年程度のインターバルでのリリースとなった本作は、ある程度の路線は継続しつつも、バリエーションを増やしてきていて、なんとなく、90年代初頭のドラマの主題歌や挿入歌にマッチしそうな、大人びた雰囲気を醸し出すR&Rに昇華させている。
音も、演奏も、しっかりとロックをしているのに、どこか懐かしい、バブル期のポップス要素を感じるのですよ。
古めかしさが、かえって味となっていて、今でも色褪せずに聴くことができる作品なのではないかと。
初っ端の「ROUTE 26」から、お得意のビートロックに、シンセをふんだんに取り込んで、メロディアスさを際立たせる。
勢いがあるのに、渋く落ち着いた印象を与えます。
ほどよく、バラードや、アクセント的な遊び曲も入って、バランスも良い。
ラストのインスト曲、「StAnd by my Soul」まで、緩急もあり、ドラマ性もあり、一息で聴けてしまいます。
個人的に、一番のお気に入りは、「メランコリアで眠れ」ですかね。
ポップなメロディと、シンセとバンドサウンドが融合したナンバー。
キャッチーさと、「良い歌」っぽい空気があって、ある意味、90年代ポップスをオマージュすることが多いゴールデンボンバーがやっていても違和感がないのではないでしょうか。
「Ballerina」の、ほんのりラルクっぽい、白系感のあるアレンジも好きだなぁ。
演奏も、さすがに安定しているし、MAHIROさんのハスキーなボーカルも、現代のヴィジュアル系の歌唱法とは違い、男らしく硬派。
レコーディング途中で、ドラムのJUNさんが脱退してしまうため、当時のクレジットは3人編成なのですが、サポートで叩いていたのがex-L'Arc~en~CielのSAKURAさんというのも、バブリー感を煽るエピソード。
歌詞については、時代相応に古臭いのですけれど、その辺はご愛嬌。
このバンドは、音楽性の変化に伴い、このアルバムの発売後、HybriDと改名します。
結局、すぐに解散してしまうのですが、その流れの中でアルバムが制作されていたら、どんなものになっていたのか。
とても、生き急いでいる感のあるバンドではありましたが、古典的なビートロックに、J-POP的なシンセを盛り込む手法は新鮮で、もっと聴いてみたかった。
トレンディさが出せるヴィジュアル系バンド。
今の時代に、こんなバンドがいても面白いのだけれども。