1.Longo Longo
2.IMITATION
3.China cat smile
4.水色
5.ダークチェリーアンドチョコレートチャンネル
6.CHILD PLAY
7.VIVID SKY
8.PINK
9.PLATINA
10.14~Hate Things,besutiful Days~
&2010
「2010」というアルバムですが、発売は1999年。
HYSTERIC BLAMEの1stアルバム。
ex-MIRAGEのTOMOさんを中心に、ex-OveのYUKIさん、ex-WITH SEXYの鈴音さん、戒依さんという、豪華なメンバーで結成された彼ら。
Soleilに所属し、いきなりメジャー流通でシングルをリリースしたり、結成1年でフルアルバムである本作を作り上げるなど、とてつもない勢いでシーンを盛り上げていくのかと思われたのですが、あっという間に解散してしまった短命なバンドでした。
一言で表現するならば、クセモノ揃い。
楽器隊の3人が、バランス良く作曲を手掛けているのですが、それぞれの持ってくる楽曲の個性が強く、ポップだったり、ダークだったり、ロックだったりと、方向性が様々。
現代でも違和感なく馴染めそうな曲もあれば、これがリリースされた時点でも懐かしかったであろう、パンキッシュなナンバーも演奏されています。
なんとなく、全体的にはデジタルなアレンジで統一感を出そうとしているものの、自由奔放にあちこち飛び散る楽曲たちを、最後までまとめきることができずに終わってしまった印象。
フロントマンであるボーカルは、当然一人なわけですが、どうもオムニバスを聴いているような気がしてしまうほどです。
1曲単位で見れば、さすがにキャリアがある人たちだというアプローチの上手さや、TOMOさんの艶っぽい声質もマッチしていて、粒が大きいなと感じる。
しかし、俯瞰的に見渡した時に、どうしても散漫な印象を受けてしまうのですよね。
ドラムレスという編成のため、打ち込みに頼らざるを得ず、音が軽くなってしまうのも残念。
デジタル色を強めたアレンジを施しているので、その軽さも無機質さを表現する演出になっているという見方もできそうですが、サウンドに隙間ができてしまっているので、物足りなさは否めません。
もちろん、バリエーションが豊富ということでもあるので、聴く音楽のキャパシティが広ければ、それなりに楽しめる作品。
そうでなくても、どれがひとつはハマるだろ、という選択肢の多さはあります。
アルバムとしての完成度は気にせず、好きな曲だけをリピートして聴くようなタイプの人だったら、とりあえず聴いてみてもいいのではないかと。
個人的には、展開の多い「Longo Longo」がお気に入りでした。
ちなみに、ボーナストラックである「2010」は、20分くらい空白トラックを聴き続けると流れてきます。
これだけ待って、1分弱のインストというのは、正直がっかりだったなぁ・・・
もうちょっとバンドが続いていて、この強い個性に一体感が出ていたら、化けていたのかもしれません。