- Aleph/Ash
- ¥2,010
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1. Photograph
2. 嘘
3. Hallucination
4. 忘れな草
2001年にリリースされた、Ashの1stミニアルバム。
この曲数で2,000円超という価格設定は、今思えば強気ですが、当時としては珍しくなかったのですよね。
ドラムの加入、PS COMPANYへの移籍というタイミングで、ALPHAからAshにバンド名を改名。
soleil時代は、新人バンドのひとつといった立ち位置でしたが、PS COMPANYの名前がシーンに浸透しはじめた時期には、Dué le quartz、kagrra,とともに、3枚看板を張るくらいの成長を遂げていました。
収録曲の4曲は、それぞれタイプは違うものの、全曲疾走感がある王道ナンバー。
「Photograph」は、切なさを重視。
青臭い歌詞がノスタルジックに響き、シングルカットできそうなキャッチーさがあります。
続く、「嘘」では、メロディアスさはそのままに、アッパーな印象を強める。
Aメロが掛け合い形式になっているのが面白く、サビでの昂揚感も聴きどころでしょう。
ダークで激しいのは「Hallucination」。
スパニッシュ風のイントロと、キメの多い構成が印象的。
「忘れな草」は、しっとりいくのかと思わせつつ、バンドサウンドになると勢いが出てきます。
歌モノであることを意識した構成になっており、途中、アカペラからサビに突入する演出は、ベタながら盛り上がりますね。
とにかく王道。
4曲というコンパクトさも相まって、アクセントとしてハズシを入れる必要がなく、どれもが全力投球。
どっぷり浸からせることはできなくとも、一見さんにまた聴きたいと思わせるくらいのインパクトは間違いなく残しています。
ライブパフォーマンスにも定評があり、音源で惹きつけて、ライブでのめり込ませるという導線は効いていたのでは。
逆に言えば、解散して導線を失った今、本作単体では重要なピースが欠けているような物足りなさがあるのも事実。
歌唱力、演奏力が特出していたわけでもなく、音楽性に圧倒的な個性があったわけでもなく。
ベタを貫き切った作品の良さは十分に理解しつつも、もう何曲かを追加して、アクセントを入れる余力があれば、深みや奥行きといったところにリスナーを誘うことができたかもしれないのにな、ともったいなく思ってしまいます。
なお、現在、Ba.masashiさんは、Versaillesにて活躍中。
3枚看板の中でも、やや印象薄になってしまっている感はあるものの、PS COMPANYの最盛期を支えただけの勢いは感じられるので、このポテンシャルを活かしたいところでした。
<過去のAsh(ALPHA)に関するレビュー>