1.CYPRESS
ex-MIRAGEのAKIRAさんとYAYOIさんが在籍していることで注目を集めるFOWR。
本作は、3ヶ月連続無料配布の第二弾です。
ライブ会場だけでなく、一部の店舗でも配布されているこのシングル。
しかし、店舗で貰えるのはCDのみで、ジャケットやケースは、ライブ会場で配布されるという仕組みのよう。
僕は、とりあえず、CDだけ貰いましたが、気に入った人はライブにも、という次の行動に移しやすいところは、面白いかもしれません。
聴いてみると、なんとも懐かしい感覚。
ザクザクしたヘビィなイントロから、退廃的でダーク感漂うAメロ。
うん、確かにAKIRAさんですね。
癖は残っていますが、歌唱力は、MIRAGEやADEIL時代に比べて、だいぶ成長が見られます。
Bメロで勢いが出てくるものの、サビは、どちらかと言えば浮遊感を重視した構成。
ミディアムテンポのリズムに、ダウナーなメロディと、ファルセットの掛け合いが重なり、間奏では再び激しさを見せていく、古式ゆかしい曲展開です。
そうそう、Matinaバンドって、こういう曲が必ず入るんだ、と、MIRAGEが看板を張っていた時代のMatinaレーベルを思い出してしまうこと請け合い。
一方で、配布CDという位置づけを考えれば、単純に新規のファンに向けてのアプローチとしては地味でしょうか。
期待外れという内容ではないのだけれど、期待以上でもない。
この曲にしかない個性が、見つけにくいというのが本音です。
シングル1曲で勝負するような曲ではなく、アルバムや、シングルの3曲目とかに、バランスをとる目的で挿入されるようなイメージ。
せっかく、広く浅く、いろいろなリスナーに聴いてもらえるのだから、ガツンとインパクトのあるナンバーを持ってきてもよかったのでは。
音楽性的にも、メンバー的にも、90年代後半~のコテコテ・ダークシーンを通ってきたファンが、取り込みやすいと思われます。
だったら、潔く、MIRAGEっぽい曲を持ってきてくれたら、王道感もあるし、期待度も増すのだけれど、まぁ、あくまで新バンドというプライドもあるのでしょうから、難しいところなんですかね。