劣等クライシス/ドロシー / SEX-ANDROID | 安眠妨害水族館

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劣等クライシス/ドロシー/SEX-ANDROID
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1.劣等クライシス

2.ドロシー


O-EASTのワンマンライブ、「中野医師会~夏のお祭りキラー’11~」で配布された2曲入りCD。

画像が見つからなかったのが残念ですが、うさぎがハッピを着ているジャケットが、とてもキュートです。

配布作品にも関わらず、2曲入りのうえ、きちんとプレスされたもので、着合いが入っていますね。


「劣等クライシス」は、パンキッシュで、少しレトロな演奏に、張り合いなく日々が過ぎていくOLの心境を、リアリティを持って抉ったような歌詞を重ねる、これぞといったセクアン節。

攻撃的に荒々しい雄大さんのボーカルが印象的なのですが、演奏面でのドラマティックな構成のおかげで、勢いで押すというよりも、世知辛さと、それでも前向きに生きようとする強引なポジティブさ、そこに行き着くまでの葛藤など、その裏側にある様々な感情を読み取ることができる、奥深い曲に仕上がっています。


レトロックなギターのリフや、ラストの焦燥感のある盛り上がりは、MERRYに通じるところがあるでしょうか。

キャッチーさは控えめだけど、十分にパワーのあるナンバー。

コーラスとの掛け合いも、チームワークの良さを感じられ、格好良さと哀愁が、ほどよく詰め込まれている。

徐々に顔を上げていくような展開に、爽快感がありますね。


もう1曲の「ドロシー」は、もうひとつのセクアンの特徴である、古臭いアメリカン・ロック、ロカビリーといった要素を強めに出しています。

Aメロでは渋いロックンロール、Bメロでパンキッシュにしたと思ったら、サビで一転、開けたラテン風のリズムで、ポップに様変わりする独特な楽曲。

この曲にも掛け合いはあるのですが、こちらは少し気の抜けた感じで、ラフなところも味でしょう。

聴き始めと、聴き終わりでの印象が、ガラっと変わってしまうところも楽しいです。


わかりやすいメロディと、捻くれた歌詞のギャップも彼ららしい。

悪女とはわかっていても、憎めないんだろうなぁという、男心。

雄大さんの歌詞には、こういう登場人物が多い気がします。


2曲とも、セクアンらしい。

だけど、マンネリ化するわけではなく、新しい風もしっかりと吹いている。

さすがのベテラン、安定感は抜群ですね。


やはり、同じ無料配布とは言え、マイナーバンドが物販席で配っているのとは、クオリティが違うなぁ。

配布モノが当たりだと、ライブチケットが相対的に安かったような気がしてしまいます(笑)


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