- 流転輪廻/Karma-Shenjing
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1. 四季楽踊
2. 三国剣舞
3. 慧-hui-
4. 麗蛾
5. 恋沙雪
6. 天空渺茫
7. 地獄変相図
8. 劫-jie-
9. 輪廻
10. 光蒼彩々
11. 夢浮月
12. 天狼星
2006年にUNDER CODEから発売されたフルアルバム。
中華系という独特のコンセプトを掲げ、関西を中心に活動していました。
楽曲単位で中国風のアレンジをするバンドはありますが、バンド単位でこの手の音楽に徹していたのは、当時としても斬新だった。
衣装も、当然ながらチャイナ服。
前評判が高かったわけではありませんでしたが、なんだか気になってジャケ買いしてしまったのを覚えています。
中国風の音階、メロディって、1曲、2曲だったら、プロトタイプのイメージで作れそうなものなのですけれど、それでフルアルバムを作るというのは、さすがに難しい部分もあるでしょう。
そういう意味では、このバンドも、すべての曲が中華的な旋律の楽曲ばかりではなく、一般的な暴れ曲に、綺麗なバラードなど、バランサー的な楽曲も織り交ぜて凌いでいるのですが、だからといって、ネタ切れなのかと言えば、決してそうではない。
オリエンタルなシンセサウンドを豪快に取り入れて、普通のV-ROCKを、大陸的な雰囲気に見せてしまうから、上手いなと唸ってしまう。
更に上手いのが、アルバム構成。
ベタな中華ロックを、序盤の「四季楽踊」、「三国剣舞」、締めの「天狼星」と、重要な部分で使っているから、間にちょっとコンセプトを外れるような楽曲が来ても、幅のひとつとして受け入れやすい。
実際は、バリエーションを増やしているのだけれど、想像していたのと違うぞ?という印象は持たれないような工夫ですね。
ダンサブルな「光蒼彩々」が好き。
中華というよりは、和メロといったイメージではあるのですが、昂揚感があってキャッチー。
シンセとバンドサウンド、それぞれの良さが、絶妙に融合しています。
激しい楽曲や、プロトタイプなナンバーは別として、全体的にkagrra,っぽさがあるでしょうか。
オリエンタルに仕立てているという意味では共通な部分。
ボーカルが埋もれ気味だったり、ギターが地味だったりと、バンドの規模相応の課題はあるものの、センスは良かったのですよね。
本作は、結果的に、活動の集大成的なアルバムになりました。
爆発的にインパクトのある楽曲がないですし、その後目立った活動をしているメンバーもいないため、触れるきっかけがないままの人も多いと思われますが、コンセプトのあるジャリバンという感覚が、マイナーバンド好きにはたまらない。
既に解散してしまっていますが、レベルアップした彼らも、見てみたかった気がします。