GOD AND THE MOONIES 番外編・・・。@池袋手刀ドーム (2011.8.17) | 安眠妨害水族館

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「the god and death stars + munimuni Japan tour  GOD AND THE MOONIES - シクマレタトキ 2011 - 番外編・・・。」 に行ってきました。

文字通り、the god and death starsとmunimuniのカップリングツアーなのですが、この日は番外編ということで、両バンドとも出演せず。

タイトルに名前があるバンドが出演しないって、前代未聞なのではないでしょうか(笑)



ファラオ


ボヲカル:詩那ファラオ様(弾丸少女/NOISY CROWDS)
ギタァ:加納摩天楼(MUNIMUNI)
ベヱス:Rikki-8(THE LECHERY FROM MARS)
ドラム:辰太郎(THE LECHERY FROM MARS)


弾丸少女の詩那さんのサイドプロジェクト。

最初、誰だかわからなくて、なんで物販に弾丸少女のグッズが並んでいるのか不思議でした(笑)


ピンクの髪をダイエースプレーで逆立てたパンクスタイル。

フロアに降りて暴れまわったり、生肉を噛み千切って吐き出したり、ステージングも、80年代パンクスといったところでした。

楽曲は、オリジナルがあったのかは不明ですが、The Stalinの「Romanticist」のカバーだけは判別できた。

手刀らしい、時代錯誤感。


楽器隊はさすが、上手ですね。

テクニックというよりも、轟音で掻き鳴らす楽曲が多かったので、細かいところまでは聴き取れませんでしたけれど。

ボーカルが埋もれてしまっていたのが残念。

しかしながら、これだけ古臭いステージをあえてやっている中で、「ファラオ!」と胸の前で三角形を作るポージングをところどころでゴリ押ししていて、それがシュールすぎた。

あれ、内輪では流行りそう(笑)



トーマス


1.サイケデリック・モバイル

2.チェイン

3.ブランコ

4.パルス(仮)

5.CRAZY DISCO

6.パーソナリティ


このメンツだと、ややアウェー感が否めませんでした。

ようやく新曲が聴けた。

Lottoさん加入後のトーマスの王道といった、疾走メロディアス+ダンスロックで、やはり曲は外さないバンドだ。

ミニアルバムが楽しみです。


しかしながら、なんか、このまま激しいバンドというイメージを貫くのでしょうかね。

この日の対バンだったら、もうちょっと歌モノを挟んだセトリにしてもよかったと思うのですが。

セトリは、多少いじってくるにしても、いつもライブの印象が一辺倒になってきてしまっているような気がします。

固定曲が増えすぎて、残りを準レギュラーで埋めていくって感じなのですよね。

煽って煽って、激しいステージを目指すだけであれば、このバンドに興味を持った理由が薄れてしまうなぁ。


また、この日は楽器隊があまり自由に動けてなかった。

「パーソナリティ」でのお決まりの上手と下手のポジションチェンジも、この日はありませんでしたね。

その分、ベースの運指に注目できたけど。

このバンドは、上手くはないにしても、ベースのフレーズがなかなか面白いんですよ。



L'eprica


音源で聴いていた印象では、もっと暗黒寄りでへヴィネスもあったイメージなのですが、生で聴くと、むしろ白い雰囲気。

本当に初期ラルクを目指したいんだなぁ、というのが伝わってきました(笑)


同機も入るのですが、よくあるキラキラサウンドではなく、鍵盤やストリングスなど、楽曲を幻想的に仕上げるという役割が明確になっていて、硬派さは失わず。

激しいナンバーやメロディアスチューン、世界観を作り込むバラードなど、緩急織り交ぜつつも、オーディエンスが余計なフリをするのさえ許さないような、目を離さなせないステージングが格好良い。

こういう音楽がウケるシーンは限られてしまうでしょうけれど、表現に特化したバンドは好みです。


淡々と演奏するのみ。だけど、しっかりと世界観は構築されている。

ステージの派手さも、メンバーの華もあまりないため、爆発的に火が付くバンドではないのでしょうが、この格好良さが徐々にでも浸透すればよいですね。



Miss Jelly Fish


相変わらず、deadmanとBUCK-TICKを昇華させたような楽曲とステージング。

L'epricaからの流れもあり、 序盤は世界観重視、後半でアップテンポというメリハリをつけていました。


いやー、安定していますね。

ところどころミスはあったようですが、堂々としたパフォーマンスが、それを感じさせない。

さすが、キャリアの長さは伊達じゃありません。

どこか民族的で、ダークで、とっつきにくいところはありますが、動きでグイグイとオーディエンスを引き込んでいく。

フロントマンと楽器隊の動と静のコントラストも面白いです。

シャカさんは、喉の調子は良くなさそうでした。

十分歌えてはいましたが、浮遊感を出そうとファルセットすれすれのラインを歌う時に、声が掠れたり、音に埋もれたりしてしまっていたような。

そういう意味では、前回見たライブほどのインパクトはなかったのですが、定期的に見たいバンドです。



STEREO C.K feat.aie


Vo&Gt:aie(the god and death stars/highfashionparalyze)

Ba:kazu(dim my division)

Dr:篤人(ex.Sugar/しかバンビ)


kazuさんのプロジェクト名義で登場。

見た目も、楽曲も、もはや、ヴィジュアル系ではありませんね。

お洒落なロックお兄ちゃんって感じ。


楽曲は、the god and death starsの曲だったのでしょうか。

何気に、aieさんの歌を聴くのは初めてだったのですが、あれだけ、カリスマ的なボーカリストと一緒に活動しておきながら、まったく影響を感じさせない、独自のスタイルを構築している印象でした。

普通は、長くやっている人に似てくるものなのですが、その辺も含めて、格好良いなぁ。


歌唱力は並ですが、ロキノン系風のギターロック主体で、ところどころマニアックなフレーズが入る、かなり好みな曲調。

フリーダムというか、ラフというか、歌詞を飛ばして、その場で笑ってたり、チューニングを外したまま演奏していたことを曲後に暴露したり、まるでスタジオで練習しているかのようなアットホームな空気で、これはこれで楽しい空間でした。

楽曲に入れば、音に浸れる実力があればこそ許されるのですが、これまで、若手バンドが頑張って作ってきた世界観は、だいぶゆるーくなっていましたね(笑)



振り返ってみても、濃いバンドたち。

どのバンドも、持ち時間がそれなりにあって、持ち味をしっかり出していきましたね。

主催者なのに、摩天楼さんの存在感が薄いのが、また面白い(笑)

名乗りもしていないので、出ているのを知らなかった人もいたでしょう。


8月のライブ限定で、the god and death starsのデモ音源が売っているということで、買ってみました。

実質、この日が最終日だったようです。

MCの口ぶりでは、リリース予定のミニアルバムにも収録されそうですが、どうなんでしょう。

「マスタリングしていない1曲入りCDRを、1,000円という暴力的な価格で販売!」と語っていましたが、そうはいっても、若手バンドが無配で作ったデモ音源とは完成度が違うので、期間限定&会場限定販売というプレミア度を勘案すれば、高いと感じるかは人によるかも。

まぁ、総合的に見て、500円が妥当でしょうが。


最近、タイムスリップしたような気持ちになれる手刀のイベントは落ち着きますね。

オーディエンスの年齢層も、やや高めで、エリアやホリデーよりも居心地がよい。

このスタンスは、継続してもらいたいものです。