魔界より愛をこめて@本八幡ROUTE14(2011.6.26) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

アートポップ主催のイベントを見に、魔界まで行ってきました。

最近よく見に行くバンド的には、いつか行くだろうなと思いつつ、実ははじめてだった本八幡ROUTE14。

バンドとの距離が近くて、天井が低くて、アットホームな雰囲気のライブハウスでしたね。

ただ、PAのレベルがあまり高くなかったような・・・

マイクやギターのバランスが悪く、かなり音割れが目立った。

僕の立ち位置が、スピーカーに近すぎたのかなぁ。




yazzmad


ミニアルバムの曲2曲に、ハロー、Re:ハルシオンというセトリでした。

相変わらず、雰囲気重視の楽曲ばかりで、とても好きな感じです。

シャウトを使わず、歌モノで勝負するバンドって、なかなか貴重ですからね。


一方で、動員が伸びない理由も、はっきりしてきたかなぁ。

曲の雰囲気と、ボーカルさんが求めるファンのノリ方が、決定的にズレているような気がしてならない。

ファンはみんな棒立ち、MCなんてなくて、突き放すようなステージング・・・そんなバンドに映えそうな楽曲を貫いているのに、フリや拳、暴れるライブをやりたい感じなんだよね。

声も良いし、曲も良いし、世界観が徹底できれば、伸びないわけがないのになぁ、と思ってしまう。


この日で、ベースとドラムが脱退とのこと。

しめっぽさはなかったし、活動が止まるわけでもなさそうなので、今後の展開に期待したいです。




駄菓子菓子


このバンド、和服のイメージだったのですが、全員がスーツに白塗りという出で立ち。

どうやら、Vo.女樂さんのソロプロジェクト、曖昧中毒を、駄菓子菓子でやってみた的な設定だったようですね。

出てきた瞬間、「あ、燭台(怪)の上司が出てきた」と思ってしまった(笑)


女性ボーカルながら、フリーダムすぎるステージングはインパクト絶大でした。

1曲、後ろを向いたままで歌い終えると、そのままオーディエンスのほうに向き直すわけでもなく、普通に弾いているメンバーの邪魔をしにいったり、衣装的にはかなり際どいポーズをとってみたり、見ていて飽きない動き。

活動歴10年を超えているベテランだけあって、テクニックも抜群で、音のバランスが悪かった中では、もっとも安定した演奏を聴かせてくれました。


そして、もっとも衝撃的だったのは、5人が同時に喋りだすMC。

一時的なネタだと思って見ていたのだけれど、誰もとめない、誰もやめない。

みんな、それぞれ自分が持ってきた小話を、ひたすら喋っていくっていう・・・

聖徳太子でもなきゃ、あれを全部理解することは無理でしょう(笑)




燭台(怪)


ラーメン屋を舞台にしたコントからスタート。

この日は、前に見たような大喜利や、グダグダになるような場面もなく、ネタとしてもわかりやすかった。

このくらいシンプルのほうが、受けがいいような(笑)


1曲目がびっくりしました。

オーディエンスが、全員座った状態で頭を振ったり、フリをやったりするんですね。

これは斬新。

暴れ曲が中心だった気がしますが、徹底してジャリバンっぽさをあざとく狙っていくあたり、素直に楽しい。

これが、本気でこの手のバンドだったら、笑うに笑えない・・・ってこともあるのですが、パフォーマーたちがふざけている中では、本気でやればやるほど、滑稽になる系の楽曲のほうが笑いに繋がる気がします。

今まで見た燭台(怪)の中では、一番良かったステージだったな。


ってか、7人ステージにいて、半分以上が演奏してないって、ある意味凄い。

ドラマーがいるのに、サポートドラムがいるのって、なんで?(笑)

演奏は、一番上手いのに、サポートなのに、あんなに体張るんですね、きくらげさん。

脱いだ人、みんな酷い体でした。結局、汚れバンド(褒め言葉)。




サンドイッチで120分?


コントにも登場してきたサンドイッチで120分?が、今度はバンドとしてステージに。

音響が酷くて、ボーカルと打ち込みがずっと音割れしていたので、楽曲が台無しになってしまっていて、もったいなかったです。

曲は良さげだったのになぁ。


レタスさんの、今までのバンドの延長戦上といった音楽性で、最近だと、マイナス人生オーケストラに近いかな。

(どちらのボーカルさんも、ex-キボウ屋本舗だしね。)

切なげなシンセが入るピコピコナンバーが、個人的にはツボでした。

アルバムが出たら、ぜひ買ってみたい。


AKB48っぽいフリが、ところどころで入るなぁと思っていたら、ラストは「ヘビーローテーション」に乗せて帰っていきました。

多少、意識することはあったのでしょうね。

コスプレしてくるファンが多くて、見た目のインパクトを、更に強めていたのも、印象的。




トーマス


思えば、なんでこの対バンに呼ばれたのだろう(笑)

超が付くほど個性的な面々に囲まれていたため、硬派さが目立っていました。

イベントでは、久々に「ブランコ」が聴けた気がする。


雰囲気に飲まれたのか、ちょっと本調子ではなかったような。

セトリが定番化している中で、細かい連携ミスも見られ、歌も演奏も丁寧さに欠けていましたね。

アウェーの洗礼的な雰囲気を経験したことは、最近、ホームグラウンド的なライブが続いていたことを考えれば、ツアー前に、良い刺激になったのではないでしょうか。

これに満足せず、奮起してもらいたいところ。


このバンドについては、本数を多く見ているだけあって、厳しめに書いているけれど、決して、他のバンドに負けていたわけではないですよ。

やっぱり、「パーソナリティ」のテンションの上がり方は、この日のライブ全体を見渡しても、圧勝だったと思う。

キラーチューンがある強み。

ただ、音響設備的な環境が悪い中で、ベテランバンドが多かったこともあって、若さが出たことは否めないですね。




マモノ


狭いハコで見るのは、はじめてだったのですが、センターにギターボーカルのチャッキーさん、上手に、パフォーマーボーカルのナナさんという並び方。

ナナさんの横には、シンバルが立てかけてあって、スティックで叩きながら煽るっていうのは、珍しかった。

同じパフォーマーでも、燭台(怪)とのイメージの差(笑)


機材トラブルで、強引にMCでつなぐ場面はあったけれど、曲がはじまってしまえば、安定したステージングでした。

スモークが効果的に使われていて、まさにマモノのためのハコといった印象。

正面から打ちあがるスモークっていうのが、キノコ雲みたいに広がるので、使い勝手は悪そうだけれど、ハマるバンドにはハマりそうな特効ですね。


アンコールもあり、この日一番の盛り上がりを見せていました。

トラブルの影響で、終演は20時近くになっていたけれど、あまり長さを感じなかった。

魅せることに強みを持つバンドが揃うと、立って見ているだけでも、あっという間ですねぇ。




個人的には、トーマスがアートポップのイベントに呼ばれてるっていうのが、不思議な気持ちでした。

バンドの系統としては、yazzmadもだし、東京ヒーローズなんかもよく出ているから、ありうる話なんだとは思うけど、もしジュリィーさんが活動していたら、いつかトーマスとジュリィーの対バンも実現していたのかなぁ、なんて想像してしまって。

(注 : ジュリィーさんは、遠藤さん的、神盤です。)


マイナーバンドのイベントだったわけだけれど、案外、ベテランの方々が多かったのも、音響の割にはストレスなく見れた要因だったかもしれません。

ちょっとやそっとじゃ動じないし、ピンチをチャンスに変えるスキルを持っているな、と。

マモノの機材トラブルについては、さすがにネタがなくなって、焦りも見えていたけれどね(笑)

危うく、キャラが崩壊する寸前でしたよ。


駄菓子菓子を、もう一回、ちゃんと聴いてみたいなぁ。

マモノ、サン分あたりも、音源でしっかり復習しておきたい感じ。

物販、もっと物色すべきだったかな。