【freak show】@ 赤坂BLITZ(2011.6.19) | 安眠妨害水族館

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MERRY 10th Anniversary【freak show】に行ってきました。

ラルクはノリ的にはライブというよりもコンサート的な要素も強かったので、V系のライブ!っていう感覚は、なんだか久しぶりだった気がします。


赤坂BLITZについたのは、開場時間を過ぎてからだったので、先行のグッズ販売は終了していましたが、ほとんどの人が先行で買っていたのか、中に入ってからも物販はほとんど並んでいなくて、楽々と会場限定CDも、ツアータオルも購入できましたね。

TBS前の広場で、特にイベントがなかったこともあり、入場の仕切りもスムーズに、混乱なくできていたかと。

ただ、それでも開演は15分くらいは押してたけどね(笑)


セットとしては、メンバーの立ち位置的なところに、布が立てかけてあるようなイメージで、どういう登場シーンになるのかと思ったら、それが天井まで上がっていって、最終的なセットが完成するという演出。

メンバーは、後ろに隠れているとかではなく、普通に入ってきました。

MERRYは、ドラムセットが高いところに組まれることが多いので、ネロさんのプレイも、しっかり見ることができるから良いです。


セットリストは、こんな感じでした。


1.ハーメルン
2.夜光
3.モノクローム
4.迷彩ノ紳士
5.溺愛の水槽
6.真っ赤な青い春・・・
7.伊勢佐木町ブルース
8.青年秘密倶楽部
9.Ve-doro
10.Fleeting Prayer
11.窓
12.stupid x cupid
13.[human farm]
14.不均衡キネマ
15.消毒


en1.The Cry Against・・・
en2.sweet powder
en3.Midnight Shangrila


en1.林檎と嘘
en2.T.O.P
en3.バイオレットハレンチ


10周年アニバーサリーという冠をつけてのツアーではありましたが、良くも悪くも、普段どおりのMERRY。

本編ではMCなしで突っ切るなど、相変わらず、コンパクトに勢いを大事にしたライブでした。


前回見たときは、ガラさんが腰を悪くした直後だったからか、セットに豪華な椅子があって、それに座ったりしながらのパフォーマンスだったんですが、今回は、変態パフォーマンスが復活していましたね。

色々と転機になるような出来事が重なって、バンドの方向性なんかも見直す機会もあっただろうに、その中で、当たり前のライブをやってくれたってのが、何気に嬉しかった。

心なしか、楽器隊についても、今まで見てきた中で、もっともアグレッシブだったように感じました。


出だしは、会場限定CDの収録曲「ハーメルン」からスタートし、最近のシングルナンバーを連続で披露。

この流れで、てっきり、メリーではなくMERRYということを意識づけるライブにしたいのかな?とも思ったんですが、そんなことはなかったですね。

7月にリリースされるアルバムからの新曲も、ところどころで演奏しつつ、新旧織り交ぜながらのセットリスト。

定番曲だらけになりすぎず、知らない曲ばかりにもなりすぎず、良いバランスだったのではないでしょうか。


MCがない構成ではあったのですが、曲と曲のつなぎを、ピアノのSEだったり、ドラムソロだったり、ギターのアドリブだったり、何かしらの工夫を入れて、音を止めないのはさすが。

世界観を損なわず、1曲1曲をじっくり堪能できるような魅せ方を追求していますね。

そこから、徐々にバンドサウンドに移っていくのが格好良い。


このバンドで思うことは、曲が増えるにつれ、当然ながらセトリも変わっていくわけだけれど、その中でブレがほとんどない。

だからこそ、昔の曲も演奏し続けることができるし、新曲もすぐ馴染む。

10年経ったバンドが、これだけ徹底して音楽性を貫いているのは、称賛に価しますよね。

もちろん、新しいことにも挑戦するし、マンネリ化を防ぐアイディアもたくさん打ち出している。

だけど、軸はまったく変わらないのです。

本編の最後を、音源化されていない2曲で締めても、これだけ盛り上がることが、それを証明していました。


「不均衡キネマ」は、未音源化ながら、すでに定番となっていて、ノリも定着化してきた。

ラスト前の大盛り上がりを、色濃く演出する。

そこに、「腐ったお前らは、消毒だ!」と、ガラさんの絶叫とともに、はじまった新曲、その名も「消毒」。

シャウト交じりのハードな楽曲でしたが、何より、インパクトがあったのが、パフォーマンスでした。

どこからともなく、消防士が持つホースのようなものを取り出したガラさんが、大量のドライアイスを放出。

本当に、会場を消毒していくような視覚的演出と、そのまき散らしたドライアイスが、そのままスモークの役割を果たす、空間的な演出。

激しい楽曲が、妙に世界観がかって、何とも言えない独特な雰囲気を作り上げていました。


1回目のアンコールについては、比較的、定番曲でシンプルにまとめた印象。

その手の中では、「Midnight Shangrila」が聴きたかったので、演ってくれて嬉しい限り。

掛け合い部分を、オーディエンスが叫ぶっていうのも、熱狂しきった会場が更に熱くなり、アドレナリンが大量に体内を駆け巡るようでした。


セカンドアンコールは、なんとびっくり、「林檎と嘘」から。

この曲、まさかライブで聴けるとは思っていなかったので、かなり驚きました。

案外、しっとりめの曲扱いになっているのですね。

レトロで、メロディ重視の曲って、スタンダードなライブでは控えめなので、もっと演ってほしいです。

シングル曲だし、ノリなれてくれば、こういう曲も、化けると思うのだけれど。


本当の意味でのラスト2曲は、代表曲中の代表曲で、固く締めましたね。

「バイオレットハレンチ」では、両サイドから、なんとトイレットペーパーが絶え間なく放出されるという、他では絶対に見れない特攻が・・・

衝撃的すぎて、ステージを見るのを、しばらく忘れてしまうほど(笑)


いつ見ても、安定したライブを見せてくれる彼らですが、そういう意味では、聴きたい曲がサプライズ的に聴けた今回は、とても良いライブだと感じました。

逆に、アクト的にはたいして変わらなくても、セトリで微妙なライブと感じてしまうこともあるから、一長一短なところではありますが、波のないパフォーマンスができるというのは、完全なる強み。

演出面はいつも凝っているので、安定感を保ちつつ、決して同じライブがないというのも、何度も行きたくなる理由かな。

今度はコンセプトライブも見てみたい。

鴉との、異種格闘的なツアーがあるようなので、チケットがとれて、スケジュールの都合がつけば、ぜひ行きたいですね。