primary song memorial ~想の旋律~ / カレン | 安眠妨害水族館

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1.葵ノ月

2.指切りガラス

3.Missing Piece

4.雪蛍

5.零

6.Actually

7.忘却の羽

8.ミチ

9.etarnity...~winter version~

10.belongs

11.ハレルヤ

12.限りのある未来と限りのない過去との狭間

13.バイバイ

14.ファレノプシス


5年前に解散してしまったカレンの、最後のCD音源。

もう一枚のベストアルバム、「primary song memorial ~奏の旋律~」とともに、連続リリースされました。


今思えば、この頃は、UNDER CODE PRODUCTIONにもブランド価値があったころ。

コンスタントにリリース活動も、ライブイベントもあって、爆発的な人気は生まれなくても、一歩ずつ露出を増やしていた印象です。

ある程度ピークを越えたかな・・・ってところでの解散だったのですが、そこそこ長く活動していたんですよね。


本作は、メンバーセレクションによるベスト盤に、未発表新曲1曲を追加した一枚。

オムニバス収録曲を除き、全部の曲が収録された過去音源がないというのはしたたかですね。

全曲聴こうと思ったら、ほとんどの音源を買う必要があって、せめて、未発表曲がなければ見送れるのに・・・というコレクター泣かせな部分もあります。

もっとも、そこまでの拘りがない人が、どんなバンドだったのかな?と思って手に取る分には、初期から後期までバランスよく収録されているので、ほどよい内容かと思いますが。


作風は、地下線バンドらしく、ヴィジュアル系!といった疾走感あり、強引な構成あり、古き良きの部分はしっかり感じられます。

そのうえ、このバンドの個性とも言える、パンキッシュ&メロディアスなボーカルラインが、曲にワビサビをつけている。

ダークな曲、ハードな曲も多いのですが、全体的に聴いてみたときに爽やかな後味になるのは、直さんのハイトーンボイスと、この開けたアレンジによるもの。

ピッチは甘く、決して上手いボーカリストではありませんでしたが、この人が歌わなきゃカレンにならないという、存在感はありましたね。


構成を工夫して作られたオリジナル作品ではありませんので、全体的な流れがごちゃついたイメージ。

1曲1曲に、力の入った楽曲を持ってきており、アクセント的なナンバーを挟まないため、ボリュームがありすぎて疲れてしまうところはありますが、そこは仕方ない。

ベスト盤に求められているシングルベスト的な内容は、オリジナル盤に求められるクオリティとは、やや違ってくると思いますので、ニーズの差として受け止めましょう。


さて、この作品で初収録となった「ファレノプシス」。

これが、酷い(笑)


イントロのアルペジオから、どこかで聴いたことがあるな・・・という感じなのですが、出だしのサビを聴いたら、そのタネがわかりました。

構成が、そのまんま、ラルクの「虹」です。


歌メロをちょっと変えて誤魔化そうとはしているのですが、声を張り上げるタイミングや、「stairway to heaven labyrinth to heart」の部分に該当するコーラスが、バッチリのポイントで入ってくる。

大サビだったり、Aメロで終わるところだったり、全部が全部、「虹」っぽくて、オケを使って替え歌をしているような気さえしてきますよ。


唯一違うところが、語りの入る場所ね。

ラルクは、間奏で入るけれど、カレンは、ラストのサビと重ねています。

どちらにせよ、語りが入った時点で、意識はしているのだろうな、という印象は拭えませんが・・・


ある意味、これは聴いてほしいですね。

カレンというバンド自体は、そこまでラルクっぽさを感じるわけではないので、意外ではありましたが、もう一作のほうでの未発表新曲、「秋風追想回帰」も、そういえば「the Fourth Avenue Café」を意識しているような気も。

好きなんでしょうねー。

解散前に好きなことをやってしまったといったところか。

他の曲は無難に仕上がっているので、ネタとして探してみても面白いかもしれません。