新宿ロフトのイベントも面白そうだったのですが、こっちに行ってきました。
L'Arc~en~Cielの20周年記念ライブ、ラニバの一日目。
確かに、ロフトはロフトでチケットも買って行く気満々だったのですが、学生時代の後輩が、ファンクラブチケットを余らせているという連絡を受けまして。
28日は、「DUNE」から「HEART」まで、29日は「ark」「ray」から「KISS」までの楽曲を中心に、セトリの被りなく発表時期で区切って行われる2daysライブ。
特に初日は、初期ラルクが堪能できるということですから、チケットが手に入る状況で、行かないという選択肢はありません。
とにかく人が多かった。
駅から、スタジアムまで、どのくらいかかったのだろうという人の渋滞。
スタッフの誘導もあまり手馴れている感じではなく、開演時間でも入場しきれていない状態で、30分くらい押してのスタートでしたかね。
静止画で、過去の振り返るような映像が終わると、アリーナの後方から、リムジンが2台登場。
そこから、メンバーが2人ずつ降りてきて、レッドカーペットを歩いてステージまで悠々と歩いていく演出でした。
今回は、サブステージがなかったので、後方へのファンサービスを、最初のところでやったといったところでしょうか。
hydeさんは、男から見ても綺麗ですねぇ。歳は相応にとっているけれど、美しさが損なわれないから凄い。
そして、軽い音だしをしてから、演奏に入っていくわけですが、セトリが神!
まぁ、98年までの楽曲で構成されているのだから、神セトリにならないセトリを組むほうが難しそうですが。
取り急ぎ、拾い物ではありますが、貼っておきたいと思います。
1.In the Air
2.Caress of Venus
3.Vivid Colors
-MC-
4.the Fourth Avenue Cafe
5.夏の憂鬱 [time to say good-bye]
6.風の行方
7.As if in a dream
8.Dune
9.winter fall
-VTR-
10.ガラス玉
11.fate
12.Floods of tears
13.Blurry Eyes(途中MC)
14.Lies and Truth
15.flower
16.I'm so happy
17.Shout at the Devil~ドラムソロ
en1.あなた
-MC-
en2.milky way
en3.Voice
en4.White Feathers
-MC-
en5.虹
メジャーデビューアルバムの1曲目である「In the Air」を、導入に持ってくるあたり、ニクい構成ですね。
銀テープが舞った「Caress of Venus」こそ、ライブで定番の代表曲ではありますが、続く「Vivid Colors」とのコンボで、前半から、歓声の連続。
この日は、生憎の雨模様で、スタジアムライブをやるのに最適な環境では決してなかったと思いますけれど、hydeさんが「雨も演出です。最後に、虹が架かるから。」と言ってのけると、本当にそのように見えてしまうから不思議。
ロックンローラーたるもの、言動から格好良くあるべき。それを体現したMCでしたね。
ちなみに、セトリを見ればおわかりの通り、このコメントは、ある意味、壮大なネタばらしでした(笑)
前半で早くも演奏された「the Fourth Avenue Cafe」で、またも会場がどよめくと、僕は、そこからステージングを追うことができなくなりました。
MCでhydeさんも言っていましたが、初期ラルクを聴いていたのは、青春真っ盛りの中高生時代。曲を聴きながら、そのときにあった出来事がフラッシュバックしてきて、目はステージを見ているのだけれど、意識が浮遊するような、懐かしい感触に浸ってしまって。
ラルクという音楽を媒体にして、トリップするような心地よさ。
音楽は、聴くことそのものが目的なのではなく、記憶と記憶を結びつけるツールとして存在しているのではないかと錯覚するほど、何度も聴いて慣れ親しんだメロディが、生の音として耳に入ってくることの喜びといったら、他にありません。
嬉しかったのは、hydeさんの歌い方を含め、しっかり当時のままのステージングをしてくれたこと。
「夏の憂鬱 [time to say good-bye]」は、個人的に、どうしても聴きたい楽曲だったのですけれど、大サビでの盛り上がりで、感情が振り切れて、ステージに崩れ落ちながら声を張り上げる様に、白系のラルクが帰ってきた!と、単なるコンセプトライブ以上の価値を見出したのは、僕だけじゃないはず。
最近は、ハスキーな声を意識して歌うことが多かったhydeさんでしたが、ファルセットを多用して、透明感がある歌い方が、楽曲に映えていました。
この曲については、シングルバージョンとアルバムバージョンで差が激しいので、シングルバージョンを披露してくれたのもポイント大。
「Dune」では、過去のPVと、ステージの演奏を、スクランブル的に画面に映す手法で、視覚的にも面白かったです。
インディーズ時代の楽曲を、オーディエンスに歌わせるのは、難易度が高いのでは?とも思いましたが、みなさん、しっかり声が出ていましたね。
折り返しとなる「winter fall」が終わると、VTRが再生。
著名人が、リレー形式で「winter fall」を歌っていくというもので、シドのマオさんや、Janne Da Arcのyasuさんといった、影響を受けたアーティストの他、青木隆治さんや狩野英孝さんといったお笑い芸人、押切もえさんや、安倍なつみさんなど、次は誰が歌うのかというワクワク感も楽しかったです。
こういう企画へのこだわり、スケールも、ラルクならではでしょう。
関係者席のすぐ近くで見ていたのですが、yasuさんや、青木さんは、実際にスタジアムにも来ていましたよ。
MCは、yukihiroさん以外のメンバーが、それぞれ順番に担当していたのでしょうか。
「Blurry Eyes」のブレイク時に挿入されるMCではkenさんが、「あなた」でスタートしたアンコールでのMCは、TETSUYAさんが、中心となって喋っていました。
yukihiroさんは、その代わりなのか、本編ラストの「Shout at the Devil」と続けて、ドラムソロがあり。
テクニックがある人なので、単純に見ていて格好良いのですけれど、最後の最後、素手でシンバルを叩いて、ぶっきらぼうにハケていくのが、とてもロックで素敵。
なんていうか、昔の曲を、昔のままに演奏したライブだったのですが、スキルの上達はもちろん、気持ちの入り方が違った印象を受けましたね。
hydeさんの表現力が神掛かっていたというか、同じキーでも、ファルセットで歌う部分と、声を張って歌う部分で使い分けていて、それを体全体で示していく。
弦楽器隊も、花道を何度も往復して、伊達に大舞台を何度も経験していないなと思わせるステージング。
最後の「虹」を演奏しきるまで、一時も気持ちが抜けない、緊張感があった。
暗くなってしまっていたため、本物の虹が架かることはありませんでしたが、雨もだいぶ小降りになり、サイリウムによる虹のアーチが、とても感動的でした。
正直、客観的なレポは書けていないと自覚しています。
はじめて見た人がどう思うかとか、細かい演奏がどうだった、立ち回りがどうだった、といったところについては、見ている余裕もなかったし、語ったところで、あまり意味はない。
音楽専門のスタジアムではありませんので、マイクの音は割れるわ、低音の抜けが悪いわ、音質的なクオリティで言ったら、高評価をつけるには至らないライブだったのかもしれません。
だけど、現代に、ラルクがこのセトリでライブを行った。
その事実が重要であり、その重要性を認識している人が、この気持ち良さに共感してくれれば良いかな、と。
とにかく、有意義な3時間だった。
補足として、リリースが決まった新曲の生演奏はなし。
ただし、終演後、モニターでPVが上映されました。
疾走系で、今までのラルクにはなかった楽曲ですね。
ネオビジュ世代がやっていても、違和感はなさそう。
相変わらず、進化し続けているバンドです。