1.同窓会
2.○△※◎
ex-ヴィドールのジュイと、ナイトメアのRUKAによるセッションバンド的なじゅるりとのデモテープ。
仙台MACANAで限定販売されたものです。
ギターには、ナイトメアの咲人も参加。
ジュイさんとRUKAさんは、もともと仙台でLuinspearで活動しており、本作は、タイトルどおりLuinspearの同窓会という位置づけで作成されたもの。
といっても、ex-Luinspearは、この2人だけなのですけれども。
タイトル曲は、ポップでキャッチーなナンバー。
企画モノだけあって、わかりやすい歌詞にストレートな演奏で、肩に力が入っていない感じ。
声を張って歌うことが多いジュイさんのボーカルスタイルとしては、こういうラフな歌い方は珍しいかもしれません。
クリスマスソング的な要素もあり、Luinspearはもとより、ヴィドールともナイトメアとも違う、J-POPよりの仕上がりになっています。
面倒だったのか、とても深い意味があるのか、タイトルが意味不明な「○△※◎」は、Luinspear時代の楽曲だそうで。
アレンジがシンプルなので、クラシカルで耽美だったバンド時代と様相はだいぶ変わってしまっているようにも思えますが、メロディの美しさには、昔の面影を感じることができる。
この曲については、ジュイさんらしいボーカルですね。
サビでの声の張り方が艶っぽく、この時代、デモテープという録音環境でも、しっかり色気を出しています。
昔を懐かしんで、未発表曲を形にしてくれるというのは、ファンだった身としては単純に嬉しいですね。
欲を言うなら、きちんと作りこんで、当時の完成度どおりに再現してほしかったし、選曲も、もっとメロディアスで切ない名曲はあった中でのバラードだったので、物足りなさ、もったいなさは感じてしまうのだけれど、ないものねだり。
マイナーバンドなんて、解散したらそれっきりが当たり前なので、ありがたいと思わなくては。
まぁ、せめて、サポートで入っている咲人さんを含む後輩バンドマンが、出し抜いてやろうという気概を持って、演奏にアクセントを加えていてくれたら、また一味違ったでしょうか。
ちょっと、シンプルを通り越して、単調と言えなくもないなぁ。
なかなかレアな作品ですので、気軽に聴いてみてくださいとも言いにくいのですが、Luinspearが恋しい人にとっては、押さえておきたい一本です。