1.プロレタリーな包釦
2.猫眠陰
Atmos*noteのボーカリスト、坂溝杏のソロプロジェクト。
文学的な歌詞と、浮遊感のあるメロディが独特の世界観を紡ぎます。
本作は、3枚連続リリースの第二弾となる限定100枚の販売となるシングル。
なんだか、フェードアウト的に活動をやめてしまっていたのが残念です。
結局、自主制作中の自主制作といったところ音源しか残してくれませんでしたねぇ。
表題曲「プロレタリーな包釦」は、アトモス時代を彷彿とさせるフワフワした雰囲気と、ポップで耳馴染みの良い歌メロが印象的。
相変わらず、歌は下手っぴで、ピッチの甘さが目立っているのですが、これはこれで味にすら聴こえてくるから不思議。
このボーカルラインの不安定さが、中毒性というか、癖になっています。
曲はなかなかキャッチーで良いのに・・・というギャップにハマれるか否か。
たとえば歌が上手かったら、ここまで耳に残るかといったら、確かに無難な作品になってしまうのかもしれません。
カップリングの「猫眠陰」は、ロックンロール色が強い、疾走感のあるナンバー。
異色というか、新境地というか。こういう曲もやるんだ、といったところ。
ロックナンバーをやるのであれば、正直、彼のボーカルだと厳しいですね。
ベースが、ルートを刻むだけというアレンジなので、音を外したのが丸わかり。
単純に、スキル不足が目立ってしまうだけになってしまっているのが、もったいない。
いくらプラっぽいと呼ばれていても、1曲目のフワフワポップが、彼の持ち味だったと思います。
センス先行型。技術はダメダメでしたけれど、なぜか憎めない。
表現したい世界観はしっかり持っていて、光る個性がありました。
演奏面についても、打ち込み感が満載で、好みははっきり分かれるでしょう。
本作については、ちょっとバンドっぽさを求めすぎたところもあるのかな。
もっと割り切った、サンプリング音を多用した雰囲気モノも得意だったので、そういった曲も収録してほしかったですかね。