1.涙色ラボラトリー
2.ブランコ
3.降水アーキテクチャ
会場限定で100枚だけ販売された1stデモシングル。
試供盤として、「涙色ラボラトリー」のシングルがあるので、実質的には2枚目の音源ということになりますが。
トーマスは、デジタルな音と、エモーショナルな演奏が融合しているところが魅力のひとつ。
メンバー全員、かなりアグレッシブな演奏をするのですが、特にフロントマン・昌孝さんの声は艶っぽくてカリスマ性があると思います。
さて、このシングルの収録曲は、ボーカルの交代があった時期に作成された楽曲なのか、ギターのトシさんが作曲して、ベースのずんさんや、ドラムのはじめさんが作詞をするスタイル。
最近の曲は、昌孝さんが作詞しているようなので、今となっては貴重な楽曲たちなのかもしれません。
とにかく1曲目の「涙色ラボラトリー」が格好いい。
いわゆる歌モノのメロディアスなナンバーなのですが、激しさ、ハードさもしっかり感じることができる。
特に、サビの独特なドラムのリズムが好きですね。
キャッチーで聴きやすい楽曲だと思いますが、○○っぽいな、と思うバンドが見当たらない。
変にマニアックなわけでも、癖があるわけでもないのに、オリジナリティが高いです。
続く「ブランコ」は、ライブでは定番のナンバー。
ライブの中では暴れ曲の位置づけなんだとは思いますが、ヴィジュアル系の暴れ曲のパターンとは少し違っていて、ミディアムテンポで縦ノリの曲なので、曲としての構成もしっかりしている。
ライブで聴かなきゃ面白さがわからないという暴れ曲を作るバンドが多い中、歌モノとしてもやっていける曲をライブによって暴れ曲に育てていくという試みは面白いと思います。
最後の「降水アーキテクチャ」は、彼らの楽曲の中でももっともポップな要素が強い曲です。
作詞をしたはじめさんは、既に脱退してしまっていますが、ライブでも頻度は低いものの、しっかりレパートリーには残っていて、嬉しい限り。
収録されている曲は3曲とも高揚感があって、とても格好いいです。
昌孝さんの声を活かすメロディラインも聴きどころですね。
このCDを聴いてから一気にハマったところもあるので、手に入りにくいCDではありますが、是非入口として聴いてほしい1枚。
代表曲も収録されているので、願わくは再録してアルバムとかに収録してほしいなぁ。
激しく、エモーショナルで、かつメロディアスな曲が好きな人にはおススメのバンドです。