- お茶ノ間キラー/SEX-ANDROID
- ¥2,800
- Amazon.co.jp
1. 狂乱天国
2. チロル
3. 赤く無き情熱
4. スキマ産業狙イ撃チ
5. プロブレムイズユー
6. カミソリ2
7. ジェット・スターダスト・キャバレー
8. カミソリ3
9. 発狂ロリポップ
10. 茶の間bitch
11. タメライ傷ト夜ノ蝶
本日紹介するのは、芸歴15年、永遠の若手バンド、SEX-ANDROID。
もう、ヴィジュアル系界のダチョウ倶楽部ですね。
今日、赤坂ブリッツでのワンマンがあるようなので、ブログにレビューを書くという形で応援したいと思います。
このアルバムは、何枚目のアルバムになるのでしょうか。
活動歴が長すぎて、闇に葬られた過去のアルバムもあるようなので、よくわかりません。
白塗り&白衣という衣装で、"医者ロック"がコンセプト。
あまりその辺を衣装以外で感じたことはないものの、それを積み重ねた結果、イメージが定着して、ようやくここ数年で注目が集まりだしたと言えるでしょう。
短命なバンドが多いヴィジュアル界、ここまで遅咲きのバンドは他に例がないのでは。
まず、音楽性としては昭和歌謡なメロディラインを、アメリカン・ロック風に味付けしたような曲が中心。
さすがに15年もやっていると、近年のヴィジュアル系バンドとはルーツが違っているわけで、歌い癖や曲のアレンジは、90年代初頭の黎明期的な雰囲気が残っています。
いわゆるV系歌唱からは遠いところにある、巻き舌を使いながら、荒々しく歌うようなイメージ。
パンキッシュな曲が似合いますね。
良くも悪くも古臭く、しかしながら、それを今の時代で受け入れられるように、きちんとオリジナルに昇華させている。
きわもの系界隈はもちろんのこと、レトロック好き、ロキノン系好きにも刺さる作品ではないでしょうか。
イントロや間奏でのロカビリー風の展開、メロディの歌謡曲テイスト、サビの青春パンクにも通じるキャッチーさ。
これだけの要素が詰まっていても、違和感なく1曲の中で聴かせてみせることができるのはさすがです。
この中でも特に好きなのは、「チロル」や「スキマ産業狙イ撃チ」のような、王道のテイストの中に、セクアンらしい昭和歌謡っぽさを落とし込んだ曲。
この手のバンドには珍しく、メジャーコードの開けた展開をよく使って、ポップさのあるサビに仕上げているにも関わらず、全体的なバランスが絶妙で、必ずしも明るいイメージだけではないのがポイント。
むしろ、そのノスタルジックなメロディーに安定感すら覚えます。
個人的には、通常版にのみ収録されている「タメライ傷ト夜ノ蝶」が、昭和歌謡の部分も強めに抽出していて、かなり好みでした。
あとは、曲によってのあたりはずれが少ないところも魅力ですね。
アルバムとしては、どこから聴いてもシングルにしてもおかしくなさそうな曲が出てくるので、かなりボリューミー。
お腹いっぱいになる作品です。
ライブのパフォーマンスも面白いですし、かなり精力的に活動しているようなので、曲が気に行った人は、会場に足を運んでみるのも良いと思いますよ。