Rengaine… / CHARLES | 安眠妨害水族館

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Rengaine…/CHARLES


1.Rengaine
2.グランドファーザークロック

札幌バンド、CHARLESの2ndデモテープ。
バンド名の読み方は、"シャルル"です。

ギターのURALAさんは、後にポワトリンに在籍。
そこから知って聴いたファンもいるかもしれませんが、音楽性としては、耽美系ど真ん中。
歌い方や声質、アレンジの方向性など、率直に言えば、LAREINEのフォロワーバンドでした。

そういう意味では、個性に欠けていた部分はあったのだが、楽曲が上質。
本作については、どちらも佳曲なだけに、デモテープの音質であるのがもったいない限りです。

タイトル曲の「Rengaine」は、フレンチポップテイストのメロディアスなナンバー。
Aメロの静かな展開から、Bメロで徐々に盛り上がりだし、サビで一気にムード炸裂。
この様式美こそ、耽美系の醍醐味である。
こう盛り上がってほしいな、と思ったとおりに展開されていく快感がたまりません。

上モノは抑えめで、バンドサウンドが中心。
そのうえで、ロマンティックな演出を加えることができるのが、彼らならではの強みでしょう。
曲終わりの部分で、少し余韻を持たせすぎたところはあるので、シンプルにまとめても良かったとは思うが、詰め込みすぎるくらいの世界観の表現への追及は、初期衝動としては必要なわけで。
これはこれで正解だったのかもしれません。

続く、「グランドファーザークロック」は、夜景を連想させるムードある楽曲。
ハネるリズムが特徴的で、シャッフルブームが到来前のヴィジュアル系ジャズといったところでしょうか。
流れがとても自然。
大きく盛り上がるわけではないですが、さらっと聴けてしまう。
表題曲に比べて地味な印象は否めないが、カップリングでもこのレベルか、とリスナーを唸らせました。

ベースが動き回るフレーズが多いので、ギターは全体に抑えめですかね。
そこで癖をつけることができれば面白かったのだけれど、ピアノなどのフレーズを使わずにムーディーでロマンティックな演出を仕立て上げるセンスは、若いながらも光っていました。
もっとも、予算があれば、技術が追いついていれば、シンセやオーケストラを使いたいところだったのかもしれませんが。

ちなみに、ボーカルとギターは、後にBELLESというバンドを結成。
LAREINEと同じ事務所に入った時は、実質的にシャルルが復活したような気がして嬉しかったのですが、1枚シングルを残して、すぐに活動が止まってしまったのは残念でした。
単純に、もっと楽曲が聴きたいと思わせてくれたバンド。
何かの拍子に、復活してはくれないものだろうか。