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仙台市内では今だにお湯が出ないホテルがほとんどだし、滞在費はできるだけ節約したい。
というわけで仙台在住の演歌歌手ヨシヒデのマンションに居候させてもらって4日目。38才独身のヨシヒデのマンションは「大学生の独り暮らし」感にあふれていて、なつかしい気分になる。

9時半過ぎ、まずは1人で出かけてガソリン補給と電子レンジ2台と電源延長コード購入。
これは今回の震災発生から1週間避難所暮らしをしていた知人から、「とにかく温かいものが食べたかった。電子レンジがあればいいのにとずっと思っていた」という話を聞いたからだ。

電子レンジを筆頭にとにかく現地で聞いた「今必要なもの」は、テレビやネットで見ていただけでは予想も付かず、そして多種多様。言い換えれば生活に必要なもの全てが救援物資となりうるのだということがわかった。
その避難所の生活レベルによって「とにかく食べ物と飲みのものを!」というところがあれば、「洗濯機が使える様になったので柔軟仕上げ剤が欲しい」というところまでが、同じ時期に混在している。
震災直後から支援の手が入った避難所もあれば、先日の東松島市宮戸地区のようについ最近ようやく支援が始まったところもあるわけだ。
洗濯機が回っている避難所から車で20分ほど走れば「まだ電気が来ていません」という避難所がある。

●ここで使った金額…¥32,540

●買ったもの
・電子レンジ…2台
・電源延長コード…3個


午前11時、ヨシヒデとヘルプスタッフ1名と合流し、まずは仙台市内にある食料品の物流倉庫へと向かう。

支援物資を現地調達する時に一番悩んだのは「物資がそれほど豊富ではない現地で、どうやって大量のものを手に入れるか?」だった。
東京はなぜだか被災地以上の買い占めが起こったりして、大量購入はしにくい状況だ。(そう言う意味でも被災地以外の買い占めは害悪である)
それにどうせ買うなら被災地か、そこに近いところで買ってお金を落としたい。
「被災地になるべく近く、しかし物資がある程度手にはいるところ」という店の選定が難しい。

結局、意外にも被災地である福島県の相馬市のスーパーマーケットから購入することになったわけだが、僕らにとっては幸運なことに、そのスーパーが使用している物流倉庫は仙台にあった。
しかも住所を聞いてびっくり。現在滞在しているヨシヒデ宅からわずか数キロしか離れていなかったのだ。

そんなわけでヨシヒデと合流してすぐに、目的地に到着。

坂本サトル「日々の営み public」

食料品を担当して下さったのは相馬市に本社があるスーパー「フレスコキクチ」の菊地さん。こちらのオーダーを完璧に希望通り揃えて下さった。しかも格安で!

●ここで使った金額…¥264,410

●買ったもの
・カップ麺…500食
・缶詰(鮭缶)…500缶
・レトルトカレー…500食
・柔軟仕上げ剤…20本
・トイレ芳香剤…10個
・ケーキドーナツ(10個入り)…15袋
・漬け物(しょうが昆布&味噌漬けスライス)…100個
・レジ袋(100枚入り)…10個


これぐらいがGIPから提供してもらった車(日産キャラバン)に乗る精一杯の量だろうと予想していたのだが、思ったよりも体積は少なかった。「これならもっと頼んでも良かったな」とその時は思ったが、実はそれが「まさにぴったり」な量だったことを知るのは数時間後のことだ。

坂本サトル「日々の営み public」
(フレスコキクチスタッフの皆さんとヨシヒデと私。右端が菊地さん)

積み込みが終わった後、菊地さんが「これ、僕らからです」と離乳食を3ケース預けてくれた。
お世話になりました。これからもお世話になると思います。ありがとうございました!


続いて向かったのはホームセンター。
7日の夜に起こった大きな地震の直後から、またまたみんなが買い物や給油に走った。
その店もレジには長蛇の列!広い店内をあちこち探し回ってようやく全て買いそろえた。
ティッシュを何個も持ち歩いていると「買い占めか?」という怪訝な目で見られるため(被害妄想かな)、レジで周りに向かって「これは避難所に持って行きますので!」となぜか説明する私。やっぱり直接買いに行くのは難しいな。

●ここで使った金額…¥43,518

●買ったもの
・デッキブラシ…5本
・プラスチックのコップ…1000個
・ボックスティッシュ…25個
・トイレットペーパー…12ロール×3袋
・缶切り(缶詰はあるが缶切りがない!とのこと)
・電子レンジ…1台
・ステンレス物干し…3台。
・メッシュケース(現金持ち歩き用財布として)…1個


続いて近くのスーパーにフレスコキクチさんに注文し忘れたマヨネーズを買いに行く。こちらはヨシヒデとスタッフが担当。

●ここで使った金額…¥4,046

●買ったもの
・酢…5枚
・マヨネーズ…12本



その頃僕は、靴屋へ。
ある避難所では「長靴が欲しい!」
別の避難所では「みんなが長靴で逃げたから普通の靴がない。スニーカーが欲しいです!」
…こんな風に、わずか数キロ離れた避難所どうしでも、その地域のメイン産業、年代分布などによってニーズが異なるのだ。

●ここで使った金額…¥93,573

●買ったもの
・長靴…10足
・スニーカー…47足



一度にこれだけの靴など買ったことがなかったため(当たり前だ)知らなかった!
こんなに靴がかさばるなんて!!(>_<)

積んであった荷物を整理し、ギリギリで全ての荷物を積み込めた。
カップ麺500個にして良かった!!


というわけで以上、物資調達完了!
3時間もかかったぞ!
避難所を3つ回って19時からのライブ…果たして間に合うのか!?


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