そろそろ予防接種のシーズンですね。

 

予防接種については、「何年に1回打つか?」、「何種打つか?」など、飼い主によって考え方はまちまちと思います。

 

筆者だったら、お外に一歩も出さない単頭飼育の猫には基本接種しません。

 

感染リスクがほぼないにもかかわらず、動物病院に行くストレスが猫は半端ないし、猫に限ったことではありませんがワクチンはアナフィラキシーショックなどの重篤な副反応を発現するリスクがあるためです。

 

散歩が日課の犬の場合、フィラリア予防や国に義務付けられている狂犬病のワクチン接種は毎年必ずしますが、それ以外のワクチン接種はその子ごとにどうするか決めます。

ペットのワクチン接種について考える | 動物病院の選び方と諸々 ~ペットと飼い主の幸せのために~ (ameblo.jp)

 

現在、犬用は11種までの混合ワクチンがあり、7種以上のものには細菌のレプトスピラがプラスされています。

 

犬のレプトスピラ症は人畜共通感染症で世界中に分布しています。

国内では、農水省の報告によると、2021年:27頭、2022年:38頭の発生で、少ないながらも増加傾向にあります。

 

レプトスピラは、保菌動物の尿を介して土や水などの環境中に排出され、経口・経皮により感染しますが、注意しなければならないのは、その血清型には種類がいくつもあることです。

 

保菌動物の多くは無症状ですが、スイスの研究者らの報告によると、2003年~2012年にかけて動物病院で急性レプトスピラ症と診断された犬は25倍に増加し、主な臨床症状は、急性腎障害(99%)、急性肝障害(26%)、出血傾向(18%)、肺出血症候群(77%)など重篤なものが多く、約70%はAustralisに属する血清型だったとされています。

Evaluation of changes in the epidemiology of leptospirosis in dogs after introduction of a quadrivalent antileptospiral vaccine in a highly endemic area - PMC (nih.gov)

 

感染したレプトスピラとワクチンの血清型が異なるとワクチン効果は期待できません。

 

地域によってレプトスピラ感染例の血清型はまちまちで、今国内で見つかっていない血清型が今後海外から入ってくる可能性もあります。

 

ワクチン接種により少しでも多く病気を予防したいとの考え方は否定しませんが、レプトスピラは「ワクチンを打ったから安心」ではないということを頭の片隅に入れておいた方がよいと思います。