特養への道、最終回 | ダジャレコーチの独り言

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現在六十路手前の自分が特養にどのように行きつくのかについて想像してみる。
まず、父母が特養にお世話になった年齢が80歳代の後半、ということで25年後くらいに特養にお世話になるだろう。四半世紀後ということだ。本日が2024年4月なので、概ね2050年4月に入所予定。
 

その時の日本の人口動態はどうか。国立人口問題研究所によれば、人口は約1億人。65歳以上の人口が38%くらい。ただしこれは合計特殊出生率を2019年の1.36で固定した試算。その場合、2050年時点の85歳以上は約1628万人。2020年現在65歳以上人口が29%くらいで人口1億26百万人から計算すると、85歳以上年齢はおよそ1500万人なので、8.5%増である。このくらいなら現在の高齢者施設を維持管理すれば、吾輩がもぐりこむ場所はありそうだ。
 

少子高齢化や、地球温暖化により何が起きるのかについては、巷で実にいろいろな本が出てるのでそれに任せるとして、85歳の時に吾輩に何が起きているのかを考える。実際のところ、健康寿命は男性の場合は72歳~73歳。それから12年さらに年月を経ているので身体は大分利かなくなっていることだろう。末期の父は誤嚥の症状が出ていた。吾輩も物をノミコムことが難しく、酒も飲めなくなっているに違いない。せめて好きな歴史小説くらい読めれば良いが。
 

2050年の85歳以上の老人人口は絶対数は2020年よりも微増で、特養施設の場所的にはある。しかし、日本全体の人口が1億26百万人から1億人と20%減っており、労働人口は2020年の約7500万人から、5300万人くらいへ減っている。例えばフィリピンなど、東南アジアの国々からの介護職員の増加が現時点では期待されているわけだが、アジアの国々が経済発展を遂げることで、海外からの助っ人は期待できない。自国のことは自国でなんとかするしかない。

 

つまりは2050年の特養への道は「行きはよいよい、なかでは怖い。」ということだ。特養に入ることは簡単にできる時代になるが、施設内では人手不足による介護職員の減少がますます見込まれるので、サービスレベルが著しく低下する恐れがあろう。一般的に現在、週2回の入浴が週1回となるような感じか。

 

その解決策の一つとしては、力仕事については、ロボットが介護職員をサポートするような社会が到来しているかもしれない。1名の当直者が数名のロボットを指揮命令する。そのロボットにはテレビ電話もついていて、家族や友人、知人と話ができるようになる。AIがさらに進化して、見守り業務については異常が起きないか監視役までできるかもしれない。クローンAIのシステムで、24時間家族の顔や会話をモニター越しにできるようになるかもしれない。遠隔で最終的な看取りの瞬間まで立ち会ってもらえるかも。もっとも立ち会う画像は、家族のクローンAI、ということになろう。24時間いつ旅立つかわからないのだから。

 

また老人介護が遠隔でよいのならば、経済活動する世代は大都市に住み、85歳以上の高齢社はもっと人口密度が低い地域に移り住むのもありかもしれない。「遠距離恋愛」ならぬ、「遠距離介護」時代の到来である。「未来の楢山節考ではないか!」と諸兄からお叱りの声が来そうだが、豊かな自然と家族(画面越しでクローンAIかもしれない)に囲まれて、心安らかに最後の時を迎える、といった終活もまたヨシではなかろうか。死ぬまでコーチ業を続けられそうだ。諸兄も共にいかがであろうか。

100歳の遠距離コーチ