コペンハーゲン訪問記その⑤カステレット要塞 | ダジャレコーチの独り言

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11/29(水)、粉雪舞う天候。気温はマイナス6度くらいで日中も上がらない。本日の流れ的には、まず「アマリエンボー宮殿」で衛兵の交代儀式を見てから、「デザイン美術館」へ。後に「カステレット要塞」を訪問。ランチをはさんで、夕方から「救世主協会」へ行き、最後に「ニューハウン」という旅程であった。

アマリエンボー宮殿へは中央駅からメトロで「Kongens Nytorv」駅へ移動し、徒歩10分弱。正午からの衛兵交代の儀式を見たいと思い立ち行ったのだが、少し早く着きすぎた。広場には特にカフェがあるわけでもない。極寒の中、時間潰しもできずただ見学していた。宮殿前の衛兵隊員は長時間起立しているわけで、見学者の大変さの比ではあるまい。女子と思われる衛兵も。 待つこと30分。ぼちぼち人が集まってきた。中には修学旅行中の高校生と見られる賑やかな団体あり、年配者カップルあり、観客はさまざま。交代の儀式は楽器の演奏をともない、それなりに荘厳であったが、冬場で一部始終を見るにはかなりのキアイが必要。

次はデザイン美術館。ここはデンマークの工芸品や、家具、アパレルなど、実に美しい作品群を貯蔵している。中で驚いたのは日本刀の鍔(つば)のコレクション。  当時の収集家が集め、100を優に超えるものが、理路整然とガラスで表面がおおわれた、でかいテーブルに納められている。黒く鈍く光るその輝きから江戸時代の現物とは思われず、高い技術力で復元されたものだろうと推察。デンマークの工芸技術の高さも瞠目するが、このデザインを創り出した当時の日本の匠の技の高度さに驚かされた。

カステレット要塞は、クロンボー城で紹介したが、デンマークに3か所ある星形要塞の一つ。 デンマーク王クリスティアン4世により、1626年に建造が開始され、後年完成。スウェーデン、イギリス、そしてドイツとの戦いで防衛の役割を果たす。現在も軍の管轄下にあるが、敷地内は一部公園となっており、自由に出入りができる。敷地内に入ると現在も使用している兵舎があった。星形要塞に興味がある方にはおススメ。要塞ゆえに見晴らしがよく、城壁を一周すると周囲の素晴らしい景色が一望できる。しかし極寒の冬は避けた方が無難である。ちなみに要塞内にはカフェなど休憩できる場所は一切ない。入口付近で小さなテントのカフェがあったが、見過ごして中に入り失敗。ランチは美術館に併設されていたFormat Caféで頂いた。グーグルでは4.5と好評価で気持ちの良いお店であった。

その後は救世主協会へ移動。らせん状の尖塔で、バロック様式の教会。街のどこからでも見つけることができるこの協会は1680年代に建設された市内で最も古い建築物の 1 つ。 高さは90メートルだが、尖塔のてっぺんにのぼるためには途中から棟の外に出て螺旋階段を登らねばならず、当日は風も大変強く、実に心臓に悪い体感だった。始めからこんなにキツイとわかっていたらチャレンジしなかったのだが、分からなかったのでてっぺんまで登れた面もある。高所恐怖症の方は外から眺めることをおススメする。。

その後、色合いが美しいと評判の港町、ニューハウンへ移動。アマリエンボー宮殿の300mほど南にある。「こんなに近かったのか。」という感じ。飲食店やアンティークショップなどのカラフルな建物が軒を連ねている。この時期はクリスマスマーケットも運河沿いにひしめき合っていて実に活気があったが、有名なカラフルな建物の色合いについては、日が暮れてから到着したので見ることができず。日没時間に気を付けよう。 温かい料理が食べたかったこの日は、運河沿いの庶民的なイタリアンVeneziaでスープ、パスタ、ピザを頂いた。店内はとても空いていたので一瞬どうかと思ったが、味もサービスも日本人向きで合っていた。グーグル評価は4.2。大人二人で680DKK、15000円くらい。

レストランを出て、さてクリスマスマーケットでホットワインでも飲んでぶらつこうかと思ったところ、寒気に襲われ、身体がガタガタと震え出してしまい、それが止まらない。これまで経験したことがないほどの寒気で、命の危険を感じた。すぐに地下鉄に避難。無事にホテルへ到着したが、シャワーを浴びるためには服を脱がねばならず、浴室は寒く、震えは止まらない。これは医学用語では「シバリング」で、寒いときに体が震えるのは、筋肉を動かすことで熱をつくり、体温を維持するため自己防衛措置。31度を下回るとこの震えが止まり体温が急速に低下する。無事に温かさを取り戻し落ち着いたが、翌日からさらに厚着をして備えた。個人差あると思うが諸兄も十二分に注意されたし。

本日の学びである。デンマーク人はとても良く働いているイメージ。街中を朝から移動していたわけだが、道端では皆が時間を追われるように急いでいて、自転車は大変なスピードで移動している。自転車専用レーンとは言え、小雪が積もる中であんなに早く走って事故はないのかと心配してしまう速さで吾輩も2度3度とぶつかりそうになり、声を上げられた。通勤ラッシュの地下鉄も大変な込みようで、通勤中の人々にはもちろん笑顔はなく、静寂である。

 

尚、コペンハーゲンの地下鉄には改札がない。スイカのような定期券をタッチする直立した円柱状の装置が各ホームに何か所か立てられており、タッチしている姿が見られた。改札がないだけに人の動きも実にスムース。しかし誰も無賃乗車をしないものかと不思議に思ったが、電車内を車掌さんが絶えず見回っているのでがその抑止力になっているのだろう。無賃乗車が見つかると、罰金は750DKK、16,500円とトンデモなく高い。公共交通機関の料金体系が複雑で、諸兄にはコペンハーゲンカードかシティパスと呼ばれる周遊券を購入することをオススメする。