コペンハーゲン訪問記その③クロンボー城 | ダジャレコーチの独り言

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11/27(月)はクロンボー城を訪問。ユネスコ世界遺産のクロンボー城は、コペンハーゲンから北に約30kmのバルト海に面したヘルシングエーアの海岸線にある。わずか幅7kmのエーレスンド海峡を挟んでスウェーデンのヘルシンボリと対峙している要衝。デンマーク語ではKronborg Slot。英語ではKronborg Castle。デンマークに3か所ある星形要塞で大変美しい。この城は、1420年にデンマーク王エーリク7世によって築かれ、後のデンマーク王、フレゼリク2世が1574年から1585年にかけて強化されたもの。日本では函館の五稜郭が類似しており、射線の死角をなくすためにこの構造となっている。この城を攻めたスウェーデン軍は多大な犠牲者を出したことだろう。

 

歴史をひも解くと、1397年にデンマーク王母マルグレーテによって、デンマークを盟主とするカルマル同盟が結ばれ、ノルウェー、スウェーデンと3か国が同盟した。このカルマル同盟は1523年まで継続する。マルグレーテ氏はエーリク7世を王として擁立しその摂政として実質的に3国を統治。彼女は語学が堪能で政治力もあり大変聡明であった人物。59歳没。日本は4つの島から成る統一国家だが、それぞれの島が独立国家になるというシナリオもあったかもしれない。日本人と北欧に住む人々との、異なる歴史と文化による、精神構造の違いが推察される。北欧国家はひとまとめにされる傾向があるが、それぞれの国が異なる文化と歴史によって培った価値観を持っているのだなと感じた。
 

ヘルシングエーアからは、スウェーデン行きのフェリーが出ている。ちょっと引かれたがパスポートを所持しておらず断念。クロンボー城の手前にある海洋博物館の1階のダイニング・カフェでランチを取った。晴れていれば港とクロンボー城が見える素晴らしい景色なのだろうが、気温はマイナス6度で雪もチラついていて、お寒い情景である。窓の外を見ると、ゴールデン・リトリーバーなど大型犬を連れて散歩をいそしむ方を見かけるが、犬たちには例外なく服が着せられている。


このカフェでフィッシュ&チップとラテ、ホットチョコレート、チャイティーラテを頂いた。フィッシュ&チップが149DKK、3300円、ドリンクは45DKK、1000円。フィッシュ&チップは量が大変多く、大人3人のランチに十分。チャイティーラテは大変に甘く、そして美味しかった。カフェの初老のマスターと少しお話した。彼曰く、「今年は寒さが早く来て困っている。ワシは寒いのが大嫌いだ!」と。こんなに寒い地域で暮らしている彼が寒いのが嫌いだということは、一体どういうことかと突っ込みたくなった。カフェ店員の女子とも少しお話をした。「なぜここで住んでいて都会に行かないのか」と聞くと、「ここは何もないところだけど、小さくてLovelyな街だから離れられない。」とのこと。港街はクリスマスマーケットで装飾されていて、美しく、スペースも存分にあるが、吾輩には寒すぎる。夏は良いのかもしれないが。
 

この海洋博物館に併設されているのは大変に美しい図書館。3階建てで、1階が子供向けの図書と遊び場で、2階が大人向けの図書が置かれており、3階に高齢者向けの談話スペースがある。子供の遊び場には巨大なコマがあり、まわしても遊べるし乗っても遊べる。地元の子供たちが大はしゃぎして、上に乗ってぐるぐる回っている。大人は離れて見ているだけであり、スペースも十分でこうしたところからも創意工夫が生まれるのかもしれないなとちょっと思った。


コペンハーゲンへ戻り、夜はBrdr. Princeというチボリ公園内のデンマーク料理店で夕食。チキンナゲットとペッパービーフ、そしてブッラータ、これはチーズをキノコ(種類不明)の上に置き、ソテーにしたもの。とにかく「寒いので温かいものを!」と言ったらこれが出てきた。ホットワインのグロッグと合わせて、900DKK、2万円。印象的だったのは、ウェイトレスさんがフィリピンから来た出稼ぎの女子だったのだが、身の上話を英語でまくしたて、とても元気だったこと。「デンマークは給料が高い。出稼ぎにフィリピンからここに来て2年間働いた。もうすぐ目標金額の貯金が貯まるので、国に帰るのだ!」と目をきらきらさせてお話してくれた。なんだかデンマークで働いている外国人労働者はとても元気であるという印象。英語も上手だね。


この日の学びは三つ。一つ目はクロンボー城は月曜日は休館であり館内に入れないこと。うっかりしていたのだが、月曜日はいろいろな施設に休館が多いので皆さん気を付けよう。二つ目はクロンボー城への移動中に、電車の中で自転車をロックする車両があるのだが(自転車移動者がとても多い)、その車両を使っている女子同士の助け合いが実に自然であったこと。他人同士だと思うのだが、協力して乗り降りしていて、その手助けを出す方も受ける方も言葉を交わすこともなく、躊躇がなかったのがとても印象的だった。日本なら遠慮があるような気がする。そして最後に「コペンハーゲンカードは一度入場した施設にはもう二度と入場できない」こと。チボリ公園で夕食をと思って入ろうとすると、また入口で守衛さんに止められたのだ。


「コペンハーゲンカードはその有効期間中は自由に契約している施設を利用できるものだ」と思っていたのだがそうではなかった。結局入口でわたわたしていると、守衛さんが、「夜だし見学して行けばいいのではないか」と入れてくれた。コペンハーゲンカードが一度入場した施設の再利用ができないことには納得いかず、運営しているCity Centerへメールで問い合わせると、「一度使った施設にはもう入れない、分かり辛くてごめんね。」と連絡が来た。 昨日入れなかったのは同日だったからではなく、2度目だったからなのだと察知すれば良かったなと洞察力の至らなさを反省。