銀河ヒッチハイク・ガイド | 感想文

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140字ではつぶやききれないアレコレを文章にするブログ

神保町の古本屋で偶然見つけたSF小説。

銀河ハイウェイの建設予定地にあった地球はあっさり滅亡し、迫りくる反陽子爆弾は不可能性ドライブのスイッチを入れるとアサガオとマッコウクジラに姿を変える。コンピューターは個性を持って一喜一憂し、陽気な性質を備えた扉は嬉しそうに開け閉めをする。

話は笑ってしまうほど奇想天外だが、どこか悲しさも含み、物語の陰影に心を掴まれてしまう。
哲学者がコンピューターに嘆く下りがとても面白かった。
「法的には”究極の真理の探求”は我々働く思考者から決して奪われてはならぬ権利だ。しかし、やくたいもない機械が働いて、その真理を見つけだしてしまったら、我々は失業してしまうであろう。つまり、我々は真夜中まで、神はいるとかいないとか議論しておったのに、もしこの機械が、朝になって神さまの電話番号なぞを教えてくれたとしたら、我々の立場はどうなるのか、ということだ。」

非日常を存分に味わうことができた。


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