②2024年石川県能登半島地震 災害ボランティア | 堺市の交通まちづくりを考える会

②2024年石川県能登半島地震 災害ボランティア

 その1の記事で、奥能登は人的余裕がなく支援のマッチングすら独自にできず、石川県の統括する支援ボランティアに頼っていると記した。たしかに石川県や全国社会福祉協議会に問い合わせたところ、ボランティアは石川県で1本化していることを確認した。前泊型、現地集合型、ボラバス型だ。
 
 ところが石川テレビの報道ではそうでもないらしい。【石川県内ニュース 阪神・淡路大震災など経験…能登の被災地へ兵庫からボランティア乗せたバスが出発「4月中旬は数が谷間に」】と題して、特別な支援が行われていた。
↑石川テレビ報道から
 
↑石川テレビ報道から
 
 動画には珠洲市社会福祉協議会の赤いベストをきた中年の職員が、ボランティアと一緒になって祭りの山車「キリコ」など災害廃棄物処理をしていた。問い合わせ電話対応もできないくらい社協は人不足じゃなかったの?重機を使えばすぐに済む作業をわざわざ10名以上で担ぎ出す模様を放映した。テレビ用のパフォーマンスか?
↑石川テレビ報道から
 
 現地を伝える報道は、それぞれの立場で真実なのだろう。しかし現場からの声が少ないために、我々はどの報道が事実なのかわからない。
 
 高所の神棚を整えたり、余震が続いて怖かった話を聞いてあげたり、絵本の読み聞かせしたり、管理栄養士が食事の取り方の相談に乗ったり、思い出の品々探しを手伝ったり、こころのヒダに寄り添う身近なお世話を手伝ってあげたいと「能登市民ボランティア」を企画している。
 
 

 

 
 ところで今回報道された主催者は全国災害復興活動支援機構というNPOで、兵庫県の市民ボランティアをマッチングさせ、引率したようだ。所在は大阪大正区で詳細は以下の通り。アメリカ大使館の協力やもらった画像がギャラリーに貼り付けてあったりする立派なNPOらしい。今回、支援物資として兵庫の特産品などを途中の避難所で降ろしながら、奥能登の珠洲市でボランティアを行ない、金沢市で「北陸応援割」という宿泊が無料になる国の制度を利用して宿泊したそうだ。
 
 その1での記したように、こういった支援ボランティアの手法は石川県の公式ではなく、別ルートで好き勝手にやっているようだ。我々とは格の違うことを理由に、石川県や社会福祉協議会は個別に対応するのか?支援したいという気持ちで溢れる我々は、対応してもらえず未だ支援先も定まらないというのにこの差はなんだ?
 

 

 
 一方でスポーツ選手をはじめとする石川県を元気づけるイベントは、金沢市で行なわれることが多い。石川県主催ボランティアバスの発着(宿も食事も利用する意)も金沢市。上述NPOも利用した北陸応援宿泊プラン対象の宿の多くは金沢市だ。行政はじめ多くの支援策は金沢市を元気にするものが多い
 港が4mも隆起して船を出せないでいる民宿や倒壊した民宿には北陸応援宿泊プランの恩恵はない。上述NPOが利用した北陸応援割という制度は旅行者を支援するもので、小松市などあちこちに一時避難している能登の人は北陸応援宿泊プランを使えない。いったい誰に向けたお得プランなのか?
 被災者(富山や新潟の被災も忘れないで!)に直接義援したり税制控除すればいいだけなのに、なんでこんなに回りクドいのだろう。特に旅行支援は震災復興につながっているのか疑問であることは、先のコロナ観光支援に賛否があったことでも明白だ。
 
 困った人を助けるという名目で、得をする「集まり」がいるんだろう。
 
 
 
 
その3につづく

 

 輪島や珠洲の状況、支援の要請、支援した経験談など良ければ以下まで。