⑦こども防災春まつり 当日 | 堺市の交通まちづくりを考える会

⑦こども防災春まつり 当日

 楽しみにしていた防災まつりに参加した。副所長のおっしゃる通り、堺市総合防災センターは交通の要所に立地しているので交通渋滞で身動きが取れない。
 

 

↓交通整理ガードマンに促され、まずは受付でガイドマップを頂く。屋外と屋内に分かれているようだ。屋外は緊急車両の試乗とレスキュー隊の体験アトラクション。屋内は防災啓発施設内で防災知識や救護体験のアトラクション。

 

↓先に屋外イベントを見学。まだ開始30分ほどにも関わらず、大勢の客の入り。小さなお子さんの親子連ればかりだ。子どもを入口に集客することに成功していた。

 

↓主催の消防局が保有する車両に試乗のために多くの親子が列をなしていた。奥では救急車がサイレンを鳴らしながら子どもたちを試乗させるアトラクション。

 

↓消防局のイベントに便乗する自衛隊の戦闘車両に子どもたちが乗る。

 

↓他国に無断転売されたことで有名になった自衛隊の高機動車に載せられる子どもたち。このあとあたりを一周する試乗アトラクション。ヘルメット姿の子どもが痛々しい。

 

↓代わって主催の消防局オリジナルアトラクションは楽しそうだ。奥では消防隊員の壁登りデモンストレーションを行ない、消防局音楽隊の演奏も行われた。

 

↓屋内の防災啓発施設に移動。NPO法人が運営する「イザ!カエルキャラバン!」を利用して屋内イベントを運営しているようだ。ゲーム形式や体験講座形式で防災救護について学ぶアトラクションだった。

 

↓防災グッズや災害支援物資などの紹介や販売を通じて、被災後のイメージが湧く展示。被災で困るのは水と食料にとどまらず、排泄とプライバシー問題を抱える。

 

↓常設の壁面パネル「防災情報コーナー」はアトラクションの順番待ち客が多すぎて見ることができなかった。また地震体験も人酔いのため今回諦めた。これらが防災啓発施設の目的だったので残念だった。平常予約して勉強に来ることをお勧めする。

 

↓堺市総合防災センターのパンフレット。今回、災害支援の中心となる災害活動支援棟を拝見できなかったことが残念。防災と災害支援は一体となって準備計画されるべきだからだ。

 

↓堺市が発災初日から能登地震被害に対する救助救援活動を行なった記録が掲示されていた。ニュースでも大きく取り上げられていた。

↓発災72時間でお一人を救助、翌日はおそらく間に合わなかったのだろう。

↓第7次まで日を空けることなく連続して救助救援活動が行われた。ゾンデ棒(埋没したものを探索するための「棒」のこと)による汚泥での活動は困難を極める。本当にご苦労な活動。後方支援隊がデコンタミネーションでバックアップするなど、総合的な救助活動の報告記録は東日本大震災の支援ボランティアを思い出して感慨。(デコンタミネーション:病原菌や放射性物質、有毒ガスなどによる汚染を取り除くこと。除染。)

 

【総評】
 これまでその1〜その6までブログ綴ってきたが、ここは「堺市総合防災センター」なので防災目的で来客する施設だ。一方で防災意識や知識の向上を目指す消防局の立場では集客も必要で、集客目的に緊急車両展示試乗させるアトラクションで低学年以下の子どもたちを集客するイベントとなっている。さながら無料の緊急車両体験遊園地に税金投入しただけのようだ。これら防災の目的に興味がもてない子どもたちと子どもしか眼中にない親たちを集客したところで、堺市民の防災意識や知識が向上するとは思えない。また集客しすぎてアトラクションを消化できずにスタンプラリーが完成できない子どもが出るほどだ。

 緊急車両の参加はそれぞれの団体の自腹で参集運営するので、消防局としては手間が省ける都合よい集客材料なのだろう。「はたらく車」と称しているにも関わらずトラックなどは集まらず緊急車両やキッチンカーが登場することも目をつぶることにもできようが、子どもたちが戦闘車両に載せられる様を生で見るには抵抗がある。戦闘車両は緊急車両にあらず。陸自の信太山駐屯地では毎年恒例の周年行事で戦闘車の試乗展示が行われ消防局車両は呼ばれていないので堺市主催の本防災まつりには自衛隊は呼ばなくていい。将来のリクルート活動としても、自衛隊はライバル公務員である。

 防災を目的に入場した私のような客は、平常に予約して勉強に来ることをお勧めする。今回のような防災啓発イベントでは他組織の緊急車両を呼び込まず、消防局とイザ!カエルキャラバン!とのコラボレーション防災啓発と消火・レスキューデモンストレーションによる消防局活動周知だけで良かったんじゃないだろうか。他団体の緊急車両乗車体験でより多くの客寄せをせずとも、消防局のそれは十分な量と質をもったイベント内容に興味を持った参加者だけに対応することで、イベントスタッフを削減することもできそうだ。

 特に今般の能登地震被害に対する救助救援活動は、今回イベントで最も重要な資料だと感じた。被災地支援ボランティアを三度経験した我々にとって、消防局はじめ自衛隊や警察の救助救援活動があってこそ、それを引き継ぐボランティア活動があることを理解している。市税を投入すべきは、これら生きた資料をまとめ上げ公開すること防災、災害支援で一番重要なことは、自分自身のことだと考え行動することだ。決して他人事だと考えず、他人任せにしないこと。ボランティア、人に寄り添うとはそういうことだ。そのための一助にすべき資料だ。

 

その8に続く

 

【堺市消防局】

堺市堺区大浜南町3丁2番5号

電話番号:072-238-0119(代表)

【総合防災センター】

堺美原区美原区阿弥129-4

電話番号:072-363-2225