“realities”(3/24 @UrBANGUILD)のフライヤー写真のイメージは、
昨年夏に知り合った、現代美術作家 大矢りかさんの作品に影響を受けています。
大矢りかさんのインスタレーション作品は、制作する土地の素材でつくる朽ちた船です。
海へ向かって漕ぎだそうとする朽ちていく船は、私には人のからだに重なって見えました。
作品に次のように言葉が添えられています。
「朽ちた船を、私はつくり続けています。
なぜ『朽ちた』船か?滅びの美を可視化するためです。
無常の中に、いとおしくかけがえのない尊厳に満ちた美を、私は見出しました。
なぜ『船』か?船は容れもの、『虚』の空間を持つ、開いたカタチです。
船に物を積み込むように、時の流れや観客の思いも受け容れる作品でありたい。
船はまた、人生の暗喩です。
制作現場で集めた自然素材には、その場に流れた時の記憶が刻まれています。
その歴史に耳を傾けながらつくることが、私の素材に対する礼儀です。
その地で生まれ、その場で育ち、その地の自然と時を受け容れながら、やがて土に還るのが、私の作品には似つかわしい。
ちょうど雑草の一生のように。」
(大矢りか)
人のからだにも生まれる細胞と死んでいく細胞が同居していて、たくさんの記憶を持って生きています。
大矢さんの作品、容れものである船は穴だらけで、
満たしていってもこぼれてしまう、積んでるのにいつのまにか崩れてしまう、そんな経験を連想しました。
けれど、土に還っていく最期のときまできっと、私たちは夢を見ることをやめられないし、何かを愛さずにいられないのだろうと思います。
そうしたイメージを含む私の考えてることを伝えて、撮影と作成をしていただいたフライヤーです。
宣伝美術・表紙写真 : 西村卓也 http://nt-yes39.sakura.ne.jp/
大矢りかwebsite: http://www.ohya-rica.com/
(大矢りかさんとは、NPO法人おおやアート村主催(企画:新井厚子、旧南谷保育園GOCCO etc.)のワークショップ「この木どうする? ー木から始まるイメージの冒険ー」で知り合いました。)