映画『R R R』長年の不思議が一つ解けた | riririのブログ

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映画『R R R』を観に行きました。

会場に入ったら星組公演が真近のせいかとても盛況で女子が多く期待で胸が高鳴ったのですが、実は残念ながら途中退場してしまいました。

 

内容は面白かった

内容はすごく面白かったんです。

相反するそして命がけの使命を持った2人の友情を基軸に、

ハリウッド並みにお金のかかった超豪華なセットと街並み。

インド映画のお約束、お芝居の途中で突然主役が歌い出だしそれに合わせて“民衆”の皆さんが歌い踊る楽しいミュージカルシーン。

そして何よりアクションシーン!虎ができたり奇想天外で、ど迫力で、手に汗握る目眩くスペクタクルの連続で、とにかくもの凄かったです🐅🐅‼️

宝塚では礼真琴さんと暁千星さんが演じるであろう主役2人の丁々発止の掛け合いも面白く、私の隣の女子は身を乗り出して鑑賞してました。

 

“超傑作  絶対観たほうがよい!”という口コミも納得の見応えのある娯楽作品だったと思います。

 

 

しかし退場

なのになぜ退場したかと言うと…

story上必要なシーンだと思うのですが、白人が無抵抗のインド人を殴ったり殺したりする場面が繰り返し何回も出てきて観ていて辛くなってしまったのです。

底冷えする寒さと雨で体調もあまり良くなかったこともあり、ちょうど2時間観たところで“もう止めよう”と退出しました。

途中退席したのは私だけでスタッフの人にビックリされました。

 

 

ホッとしたこと

一つだけホッとしたことがあります。3時間の長編映画なので“せっかくだから2人で観ましょう”と唯一のヅカ友さんと一緒に行く約束をしていたのですが、どうしても予定が合わなかったのです。

もし、ご一緒していたら凄くご心配をかけたと思うし、あるいは頑張って最後まで観ようとして逆にトラウマになってしまったかもしれません。一人で良かったと心から思いました。

 

 

長年の不思議が一つ解けた

そしてね。途中退場の顛末をヅカ友さんに報告したところ、“無理して観なくて良かった”と労わりの言葉をかけてくださるとともに、“同じような感想を持った人がいるみたいですよ”って、ブログのURLを送ってくれました。

 

でね、そのブログのなかに“なるほど!”と思った一文があったのです。

無断引用はできないので私なりに勝手に意訳すると…

 

『RRR』を楽しめた人たちは、「自分に置き換えたら痛そう」みたいな感覚を切り離すという所作をできた人たちなのではないか…

 

確かに私は痛みに対する共感性が人より強いかもしれません。

子どもの頃親と観ていた「大河ドラマ」にあった拷問シーン、もう何十年も昔なのに時々フラッシュバックして思い出すことがあるくらいですから。

 

そして長年の不思議の一つがやっと解けました。

なんで映画や舞台のなかに、目を背けたくなるような残酷な拷問や暴力シーンがこんなにもたくさんあるのだろう?そのために観るのを断念した作品が沢山あるのに…ずっとそう思っていたのです。

でも、それはきっと世の中に「自分に置き換えたら痛そうみたいな感覚を切り離すという所作」が出来る人の方が多いってことなんですね。

現に映画『R R R』でも途中退席したのは私一人だけでした。

 

おそらく“切り離し”ができる人たちにとっては、これらのシーンはストーリーをよりリアルに感じるために必要な場面であり、さらに誤解を恐れず言えば“快楽”の一つなのではないかと。

そしてそれも含めてのエンターテイメント、娯楽なのではないか、そう思い至りました。

 

たぶん私が宝塚が好きなのも、駄作はあるけどバイオレンスがなく安心して観れるというのが大きな理由なのだと思います。