警察の方は机の上にあった買い物用のカゴを私に手渡して、



     「これは彼が彼の友達と万引きしようとした品々です。



     全部で $80ドル近く(日本円で約9000円)になります。」









カゴの中にあったものは、化粧品や、ピンク色の小物、キャラクターのノートや消しゴム、髪飾りなど、



殆ど女の子しか使わない物ばかりでした。












斉藤    「。。。。。。。 友達って誰ですか。。。。?    



       こんなもの、男の子のシーザーに必要ないものばっかり。。。。」







シーザー  「デイナ(仮名) と マイア(仮名)だよ。。。お隣の。。   僕は本当に取ってないんだよ!! 


        彼女達がとってるのを 横で見ていただけで。。



       彼女達が自分たちの持ってきた手さげ袋に入れていたんだよ!」






警察の方  「君は最初から最後まで、女の子のせいにして、 自分の非はまったく認めていない!


         警察に嘘をついたことすら、悪いと思ってもいないだろう!!


         例え仮に、彼女達が万引きして、君は何もしていなかったとしても、


         一緒にいて、それを止めなければ 同罪なんだよ!!」







斉藤     「。。。。。。。彼は、本当にいい子で、今まで何も悪い事はしたことがないんです。。。


        警察の書類に嘘を書いたのも、両親に怒られるのが怖かったからだと思います。


        良く言って聞かせますので、今回は 無かった事にしていただくわけにはいきませんでしょう    

     

        か??」













警察がここで無かった事にしてくれる 可能性は本当に少ないものでしたが、、



それでも私にはここで、食い下がらなければいけない訳があったんです。。









アメリカでは、移民が本当に多くって、



グリーンカードというのですが、そのカードをもらうことによって、この国に住んでいる人が大勢います。





でもこのグリーンカードは アメリカンシティズン(アメリカの国民)とはまた違って、





何か問題を起こせば あっさりと取り上げられてしまう事も多くあるのです。





私の別の知り合いのメキシコ人は、 酔払い運転をして捕まり、グリーンカードをあっさりと取り上げられてしまいました。






アメリカで長く暮らしてきた人間にとって、




突然権利を取り上げられて、強制送還されることは、




仕事を失い、生活を失い、放り出されることを意味します。






特に家族を持った人間には、 死活問題になるわけです








シーザーの家族で、グリーンカードを持っているのは







シーザー唯ひとり。









彼の両親はビザで滞在しているだけ。






彼の弟と妹はまだ小さくって、グリーンカードの申請もできません。









つまり彼がグリーンカードを失うと、この先の、両親や、弟妹が大きくなった時など、



グリーンカードを申請しても跳ね返られてしまう可能性が大になるということなのです。








グリーンカードというのは、取るのが 本当に難しいのに、失う時はほんの一瞬で、




一度失った人がもう一度受けるのはほとんど無理なのです。。









斉藤    「彼は本当にいい子で、今まで何も悪い事なんてした事はないんです。。


        お願いします、今回だけ何とかしていただけないでしょうか。。。」









警察の方   「 貴方は間違っている。



          彼はもう小さな子供ではない。 あと数ヶ月たてば14歳。



         体ももう大人と変わらないほど大きくなるし、今責任の大切さを教えなかったら、



         彼はろくでもない大人になる。 



          これが彼の初めての万引きならともかく、



          店の人間が不審に思った時から数えても、 7回以上万引きしているんですよ。




         そして彼は警察に をついた。






          警察の公式の書類に嘘を書くのがどれ程罪が重いか、 私が説明したすぐ後にね



          貴方の可愛い男の子のシーザーは、 もう子供ではない



          何でも許してもらえた子供の時期はもう終わったんです!」










この後  解った事なのですが、




デイナとマイアは万引きの常習犯で、




過去に何度も何度も万引きで捕まって、




スペシャルプログラムに(こっちで言う、子供を矯正するプログラム)のお世話になっていたのです。





彼女達の両親は、 麻薬の常習犯で、




そのために 何度も子供を政府から取り上げられていて、



そのつどデイナとマイアは ボランテアでそんな子供達の世話をする家庭にそのつどお世話になっていたそうです。










デイナとマイアは、







辛かったと思います。。







まだ小さな子供が、







両親のせいで他人の家庭をたらいまわしにされる。。。









親への信頼を失い、違う世界へそのたび叩き込まれる辛さは、






経験した子にしかわからないと思います。






彼女達が、まだ幼い年齢で、万引きで20回近く捕まっていたのは、









本当に 彼女らのせいなのでしょうか。。。。。。。












そして、その彼女らをはじめての友達として、







とても喜んで迎えて、






彼女らが万引きするのを止めれなかったとはいえ、一緒につるんでいたシーザー、、








これは本当に子供達のせいなのでしょうか。。。。    








警察の方の言われた事の筋が通っているのは確かです。






それでも。。。





この時のシッターさんの恐怖は、計り知れない物だったと思います。。。


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その日私は、いつもの通り仕事前に子供をベイビーシッターさんのお宅に預けるべく、彼女の家に行きました。



普通に子供とバイバイして、車に乗り込んで発進させようとしたとき、



突然シッターさんが 半泣きになりながら玄関から飛び出してきました




彼女の手にはワイヤレスの電話が握られています。




シッターさん   「 まって!まって! 斉藤さん!」





斉藤   「 !!??  え?? え、どうしたんですか?」








シッターさんが差し出す電話に出てみると、









それは警察からの物でした。








前にも書きましたが、 私のベイビーシッターさんはメキシコ人
で、




多くのメキシコ人がそうであるように、


彼女は在米が長いにもかかわらずまったくと言っていい程 英語が話せません





彼女が電話でわかったのは、  ポリス  と  シーザー  だけ。






警察からの電話で、自分の子供の名前を言っている、というのは、母親なら誰でも仰天すると思います。








斉藤  「もしもし、シーザーに何かあったんでしょうか??」










警察の方  「保護者の方ですか? そうでないなら 何も話せないので、保護者の方を連れて        


         〇〇スーパーまで来てください。場所はわかりますね?」






斉藤    「はい。。。ここから3分もかからないので、すぐいきます。


        あの、 シーザーは大丈夫なんでしょうか???










警察の電話というのはどこでもそうだと思うのですが、 とても事務的ですよね。。










このときはもう切られていました。。










半泣きで震えているシッターさんを車に乗せると、私はそのスーパーへ向かいました。








スーパーに着くと、指定された事務室へまっすぐ向かいました。









その事務室で見た光景は、 多分 一生忘れられないと思います。










私の甥っ子のような、可愛い男の子のシーザーは





手錠でつながれて奥のパイプの椅子に座らされていました。









それを見たシッターさんは 「ヒッ」とも 「ギャッ」ともつかない声を出して、




事務所の外に出ると ぺたりと座り込んで泣き出してしまいました











このブラグを読んでくださっている方で、何人の方がお子さんをお持ちかわからないですが、



お子さんを持った方なら、



自分の産み育てた子供が手錠でつながれているということがどれだけショッキングな物か


お解かりいただけますよね。。。






お子さんがいない方は、お父さんかお母さんで想像してみてください。これは本当にショックなものですよ。。。









私にとってすら、甥っ子のような子であるシーザーが手錠でつながれているのを見たときは、目眩がしたのを覚えています。





シッターさんにとって、今まで何の問題も起こさずに、



誰にでも好かれる自慢の息子のシーザーが警察に捕まるなんて、ありえないことだったんです。







警察の方  「。。。貴方は彼のご家族ではないですね?」









そりゃそうです、 メキシコ人のシーザーと アジア人の私
は似ても似付きません。










斉藤   「彼のお母さんは私の子供達のベイビーシッターで、        


      もう何年も家族ぐるみの付き合いをしています。     



       彼のお母さんは英語がまったく駄目なので、私が通訳する事もたまにあるので。。。」








ちなみに私は、多くのヒスパニック系の友達が居ることと、





スペイン語しか話せないお客さんも多い事が重なって、





スペイン語が片言の域を超えない程度にですが話せます。




特にシッターさんとは付き合いも長いので、






私のなんちゃってなスペイン語でも 彼女はかなりわかってくれます。









彼女は私の 子供達の世話を本当に親身にしてくださっているので、



お返しというわけではないのですが、彼女が英語の通訳が必要な時は、



いつも出来るだけの事をしてきました。








警察の方  「彼の容疑は、万引きと、 警察に嘘をついたことの二つです。」










万引き、、、は、 やっぱりそうか。。。。
 
という感じでした。










10代の子供の事で警察からスーパーへ呼び出されれば、それはそういうことだろうな。。と誰でも思いますよね。。








でも、この二つめの、  警察に嘘を付く、というのは、アメリカでは 重要な犯罪の一つになるんです。










日本とアメリカの大きな違いの一つだと思うのですが、








日本で警察に向かって、「死ね!」だの「馬鹿」だの言っても、それで牢屋に入れられる事はないですよね。





こっちでは、 一発で入れられます。




中指を立てただけでも充分に牢屋行きです。








警察はアメリカでは、日本と比べ物にならないほど権力があって、




こっちではどんな人でも警察の前では大人しく正しい口の聞き方をするのが普通です。








警察に嘘を付くというのは、こっちでは 軽くみなされる事はけしてない重要犯罪のひとつなんです。。       




だからこそ、13歳と言うまだ若い年で、彼の手には手錠がかけられたのでしょう。。







警察の方  「彼は 万引きの常習犯で、今日やっと証拠になるテープを取る事が出来たんですが、        


        彼に彼の名前と保護者の電話番号を紙に書かせたとき、              





        彼は三回、嘘の名前と電話番号をかいたんですよ。





そういって、警察の方はシーザーが書いた紙を私に見せました。




それはタダの紙ではなく、公式の警察の書類でした。





警察の方  「この紙は言うまでも無いですが、 法廷で証拠として使われます。」










私がシーザーの方を見ると、







彼は小さな声で、








「斉藤さん、僕 怖かったんだよ。。





と言だけいました。








小さな私のシーザーと、



その手にかけられている手錠があまりに似つかわしくなくって、







勝手に涙がこぼれました。 人気ブログランキングへ


ベイビーシッターさんのお隣に引っ越してきた家族はアメリカ人の家族で、



両親と、 13歳の女の子、8歳の女の子の4人家族でした。






シーザーは当時13歳、シーザーの弟のロス(仮名)は8歳と、年も同じだった事もあって、




彼らが親しくなるのに時間はかかりませんでした。







ロスの方は女の子と遊ぶのはつまらない、と言って、そんなに彼女らの家に遊びに行ったりはしなかったのですが、




シーザーは毎日毎日彼女らの家に行って遊んでいました。












そんな日々が 3ヶ月くらい過ぎた時、






突然 青天の霹靂で、








あることが起こったのです。。。。。




今日は娘は調子がいいのですが、私が移ってしまったらしく、調子が悪いので、今日は短めで切り上げますね。


皆さんおやすみなさい。


思ったよりもたくさんの方が呼んでくださってて、凄くうれしいです。ありがとうございます。^^


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