イケてる展覧会の見分け方、

ちょっとしたマニアック技があるんですよ。

それは・・

 

 

キュレーターに注目する。

 

 

*キュレーターってなに?

美術館学芸員研究員さんのカッコイイ呼び方です。

博物館や美術館で研究・収集・展示・保存・管理などを行う人。学芸員。

 

 

分の美術鑑賞において琴線に触れる美術展に巡り合ったら、企画したキュレーターさんの名前を、ぜひチェックしておいて損はないと思います。

 

 

美術館館長ではなく、企画をした方をです。

館内のパネルや図録の巻頭か巻末あたりに文章を載せてらっしゃったりします。

 

で、その方のお名前をネットやツイッターなどで検索かけてみるのです。

 

するとその学芸員さんのギャラリートークの日程がわかったり、ラジオ出演される情報があったり、色々と面白いネタが拾えます。

 

 

そうすると学芸員さんの人となりが見えてくる。

 

 

ここだけの話、学芸(研究)員も学校教員と同じで、

ただ仕事をこなしているだけの方と、

自分の専門分野において研究心を失わずどうやって面白さを伝えるかに心砕いている方といらっしゃるようにお見受けします。

 

学生時代に授業が面白くてあっという間にチャイムがなる気がする名物先生と、眠くて眠くて仕方ない先生と、いませんでしたか?

 

 

幸運にも前者の先生に出会った時には

嫌いな教科も好きになるなんてミラクルが起きたもんです。

 

 

大きな声では言えませんが・・企画展覧会のため他の美術館から借りた作品を展示するときに、運送だけでなく配置までもを配送業者のドライバーに適当に任せる学芸員もいるとかいないとか・・むにゃむにゃ・・(苦笑)

 

 

ドライバーが配置を・・・え?

それでいいの?

 

 

 

 

配置って実は、とても大切な魅せ方だと思います。

 

私の知り合いのカメラマンの方が作品展をするときも、

人の視線や動線を考えぬき、自分の世界観を伝えるための見せ方にはものすごくこだわりを持って工夫をされていて、

作品展の面白さを倍増させるのも幻滅させるのも、

配置ひとつですごく変わるんだなぁと実感したことがあります。

 

彼曰く

「さぁ~~っと通り過ぎて終わってしまう作品展なんてつまらない。あれ?っとまた前の作品に戻ってみたり、行きつ戻りつ、果てはジーーッと立ち止まってみたり、人がなかなか立ち去らない、そんな様子が見てとれると・・してやったり!なんだよね~。」

 

 

観る人を意識したら、

演出家目線になるのですね。

 

 

今にカメラマンや映画監督やミュージカルのプロデューサーがごとく、キュレーター(美術館学芸員・研究員)も一世を風靡する方が出てくるかもですね〜。

 

 

ちなみに私の記憶に残る

 

「こんなん知ってた~?」

 

「え?どういう事?知りたい知りたい~」ってなった

 

演出家目線を感じる「イケてる美術展!」は・・・

 

 

 

 

展示に技ありで話題になったこちら。

 

2015年 根津美術館

「動物礼賛 大英博物館から双羊尊がやってきた!」

 

 

世界に2つしか発見されていない青銅器が、時空を超えて奇跡の出会いを果たした展覧会。史上初の双羊尊の共演!二つとも360度から見比べられるようにガラスケース展示され、瓜二つかと思うほどの2作品をたっぷり味わえたのは多くの来場者を大満足させたと言われる。

 

Balthazarさんの

「アートツアー 根津美術館 動物礼賛」より

 

 

(残念ながらこの展覧会、企画キュレーターは どなただったのか、調べきれなかったのです。ご存知の方いらっしゃれば教えてください~)

 

 

 

そしてこちらは浮世絵

2016年 <巡回展>Bunkamura  ザ・ミュージアム~神戸市立博物館~名古屋ボストン美術館

「俺たちの国芳 わたしの国貞」

 

 

これは会場のポップ(作品につけてある説明文)がとにかくイケてる現代語アレンジ。

面白くて、浮世絵に対する親近感が倍増した。

 

イケてるポップはこちらから

 

名古屋ボストン美術館 公式サイト 

http://www.nagoya-boston.or.jp/exhibition/past/kuniyoshi-201609/outline.html

 

新聞社やテレビ局などメディアとのタイアップもすごい~

企画協力はNTVインターナショナル。
http://www.ntv.co.jp/kunikuni/

 

企画者は4名いらっしゃる様子。

それぞれコラムが図録に収録されています。

 

セーラ・E・トンプソンさん

(ボストン美術館 日本美術課キュレーター)

黒田和士さん

(Bunkamura ザ・ミュージアム 学芸員)

塚原晃さん

(神戸市立博物館 学芸員)

鏡味千佳さん

(名古屋ボストン美術館 学芸員)

 

 

それからこちら

骨董屋嫁としてはやはり日本画作家が気になります。

 

2016年 <巡回展>長崎歴史文化博物館~神戸市立博物館

「我が名は鶴亭 若冲、大雅も憧れた花鳥画!?」

 

 

図録を見てみると企画キュレーターは、

 

石沢俊さん

(神戸市博物館 学芸員)

 

ツイッターでお名前を検索して情報を拾うと、ギャラリートークとかをされています。

 

 

一般にあまり知られていない作家 鶴亭(かくてい)について詳しく、図案や画題の説明をカラーパネルをふんだんに使ってわかりやすく展示。

ミュージアムショップに売っている図録がこれまた美術雑誌かと見まがうほどに読み物として楽しいものになっていたのに驚いた。

図録といえば資料、という地味な忘備録冊子という今までの固定観念をぶち破る破壊力だった。

 

 

神戸市立博物館公式サイト「我が名は鶴亭」よりhttp://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/tokuten/2016_1kakutei.html

 

 

 

2017年に入ると秀逸な美術展が急増。

明らかに観る人を楽しませようと、魅せる工夫に力を入れているのが伝わる演出家目線な美術展が増えています。

 

 

 

 

私の美術鑑賞において琴線に触れる美術展とは

 

歴史的背景やその作家のことを全く知らなくても楽しめるかどうか?

 

今までの、作品を並べただけの地味かつスタンダードな展覧会とはちょっと違う

何か新発見があるかどうか?

 

 

 

 

とどのつまり、

観る人を楽しませようとしているかがポイントです。

 

 

 

行きたいと思う展覧会が急激に増えて、足を運ぶのが追いつかない~~。そんな嬉しい悲鳴の昨今です。

 

面白そうな展覧会がまだまだ増えそうな予感♡

 

 

 

イケてる展覧会のカゲには

イケてるキュレーターあり!!

 

 

 

近頃は本屋さんでもメディアでも美術ネタが増え、わが国ニッポンのアーティストに次々とスポットライトが当たり始めています。

 

 

キタキタキタ~~~!!!

クールジャパン!

ニッポンアートの時代がきたっ。

 

 

 

もう、興味ある人に喜んでもらうだけではダメ!

 

そんな人たちはねぇ・・

 

ほっといても美術館に来ます

 

 

ではなくて

 

 

は?美術展・・

なにが面白いの??

 

 

 

という興味ない人たちをググーーッと惹きつけるようなインパクトが求められています・・キュレーターさぁーん!!!責任重大ですよぉ!!

 

 

企画のキュレーターさんに注目するってことは、その人となりを知るきっかけになるということです。

 

 

 

なぜそんなマニアック技をお勧めするかというと・・

 

 

 

 

野菜のハナシで例えますとね(なんで野菜・・笑)

うちの近所のスーパーには生産者のお名前や顔写真がついている無農薬野菜やお肉があるんです。

 

美味しいと思えば名前を覚えるし、リピート買いします。

少し高くても安全で美味しい方を選びます。←価値判断は個人差があります

 

 

日本で「農薬たっぷりの不自然な野菜」が増えたのは、消費者が虫食いのない綺麗な野菜を一年中求めたからともいわれています。

 

 

作り手だけを責めていいはずはありません。

 

 

 

安い、綺麗、という基準以外にも・・

美味しい、健康、などの違うニーズが

めっちゃ増えれば、

作り手も変わらざるを得ないんじゃないか・・・。

 

 

なんか気持ち悪いぐらいに形が均一で、

まっすぐなきゅうりや年中食べれるトマト・・不自然だとも もはや思わずに、当たり前になっている。

 

 

それと似てるな~~って思ったんです。

子供達はそれがトマトやきゅうりだと思っている。

それでいいんだろうか?

 

 

生産者を励まし応援する買い方をすることで野菜の流通を変えられる、それと同じようなことが展覧会にも言える気がするのです。

 

 

私たち鑑賞者が

「ただ作家の作品を並べて説明文をつけただけの展覧会」に満足するとかって・・

 

 

 

もう古いと思いません?

それ面白いですかね?

よほど興味ある人しか行かないでしょ??

 

 

 

 

展覧会も興行ですから、当たるか当たらないかの入場者数はとても大事だし、ヘタな冒険をして世間の反応が芳しくなかったら、と思うと・・・

 

今までそこそこ数字を取れていた企画の流れを大きく変更するのは、ちょっと勇気がいるでしょうね。

 

 

それは一般企業のビジネスも同じです。よーくわかります。

 

 

メジャーな作家やっとけば・・

いつものお客さんは来てくれるだろう・・

 

 

 

でもね。

ここだけの話、かの有名な伊藤若冲作品だって、実は未だ研究者たちの間で真贋研究が尽きず、本物か?偽物か?答えの出ていない作品が多々あるのです。

 

 

ミステリーツアーじゃないけれど

歴史に謎は付きもの。

絶対に黒とか絶対に白と言い切れる事はない。

 

 

 

どこかの権威ある人のお墨付きがある、とか

有名な美術館で展示されているから、という理由で

 

なんかよくわからないけど、本物なんだよね?

と「鵜呑み」にしていると、

 

美術史上の謎解きをする研究者や

それをわかりやすく伝えるキュレーターが増えないと思うのです。

 

 

ぶっちゃけそういうことも開示すると、美術愛好家や一般の鑑賞者にとっては俄然面白い美術展となるし、それを実際に見てみたいと来場する人が増えるのは間違いないと思うのです。

 

 

どうしてこの作品を「ホンモノ」と判断したのか、その理由を知りたいと思いません?

 

 

てか、どうしても白黒はっきりさせないといけないのか?

グレーなものも教えて欲しい。

 

 

それを

「僕はこう思うけどな~。」

「いやいやいや私はこうじゃないかと・・。」

な~んて話すのが楽しくないですか?

 

 

 

通例を変える新しい試みをすると必ず批判もあるでしょう。

 

今までの先輩たちがやったことない魅せ方、

使ったことない言葉、

違った切り口。

 

そんなことにチャレンジするよりは、

今までのような感じで・・という具合になりがち。

何より反応が怖い。批判が怖い。

 

 

私なら怖気付く・・

(そーなんかいっ!爆)

 

 

そんなわけなので、ともすれば無難な企画展になりがちなのは想像に難くないですが・・

 

 

少しずつ美術展はいま

確実に変わりつつあります。

 

 

 

既成概念を覆すような面白さ

研究者による新発見のある

見る人の興味をかきたて

審美眼を育てるような

 

そんなイケてる展覧会を応援したい。

今までと違うニーズに焦点を当てる

勇気あるキュレーターを目ざとく見つけ、

せっせと足を運び、話題にしていこうと思います。

 

勇気あるキュレーターさんを

応援したい!

 

観る側からも意識して

今までと違う視点のニーズを掘り起こしたい。

 

 

 

美術は博識な人だけのものじゃない、と思いませんか?

わかりにくさをわかりやすいものにしてほしい~~~。

 

 

優等生な野菜より、

身体に毒じゃない美味しい野菜が食べたい〜〜。

 

 

あら、野菜の話だったんだか、展覧会の話だったんだかわからなくなっちゃいましたかね??

 

要は野菜や展覧会を・・良くしていくのも、つまらなくするのも食べる人や観る人の姿勢次第なのでは?というおはなしです。

 

 

生産者(企画キュレーター)に

スポットライト(注目)を!

ってことです。

 

 

 

顔のわかるお野菜がリピート買いされるように、人となりのわかるキュレーターさんがクローズアップされるなら、その方はきっとまた、鑑賞者が面白そう!観たい!と思う美術展を作ってくれると思うから。

 

 

 

以上・・骨董屋嫁の主婦的「イケてる展覧会の見わけ方」①②③シリーズでした。

 

 

①と②も合わせて読んでみて下さいね

こちらから↓

 

 

イケてる展覧会の見わけ方①~~~SNS時代の波に乗る♡
https://ameblo.jp/saisai96/entry-12381500294.html

 

 

 

 

 

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生家が代々続く骨董屋だったわけでもなく、短大卒業後の仕事は保育士、もちろんのこと骨董品のことはほとんど知らず鑑定なんかできません。

 

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https://ameblo.jp/saisai96/entry-12350589413.html

 

 

 

 

 

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