タイトルを見て「はあ?超えたに決まってるじゃん」と思った人は恐らく若い世代だろう。勿論、記録は比べるべくもない。そう言うと若い人は「はいはい、“ナガシマは記録ではなく記憶に残る選手だ”と言いたいんでしょ?」と思うかも知れないが、まずは次の質問と私の回答を見て戴きたい。
質問「歴代のプロ野球選手を最も大きな括りで2つに分けるとしたらどう分けるか?」この質問には正解などないので「投手と野手」「レギュラーと控え」「天才タイプと秀才タイプ」など様々な回答があろう。でも私の回答は断固こうだ「長嶋茂雄とそれ以外」これ以上大きな分類はないと思う。
【↓左:大谷翔平(スポニチWebより)】

【右:現役時代の長嶋茂雄(デイリースポーツWebより)↑】
長嶋茂雄が「ミスター(プロ野球)」と呼ばれるのは、彼がプロ野球を代表する偉大な選手だったからではない。彼はプロ野球を日本における歌舞伎や大相撲に匹敵する国民的な人気コンテンツに引き上げたからだ。ゴジラが怪獣(生物)ではない(*1)のと同じく長嶋茂雄はもはやプロ野球選手ではない。
かつて日本において最もメジャーな野球リーグは東京六大学でプロ野球は「職業野球」と呼ばれて今の社会人野球の様なマイナーな存在だった。それが「長嶋が巨人に入るんだって?」と長嶋の入団と共にプロ野球が日本の中でメジャースポーツになったそうだ(私も幼い頃で実はよく知らない)。
彼より凄い成績を残した野球選手はたくさん居るが、平凡な三塁ゴロをランニングキャッチして送球するだけのシーンがCMになったりヘルメットを飛ばして三振する姿が人々を魅了する選手は他に居ない。某大物メジャーリーガーに「ナガシマのプレイを見るためなら私は金を払う」と言わしめた。
「達人」は難しい打球を目の覚めるようなファインプレーでアウトにするが、(元ロッテの小坂誠のような)「名人」はただの平凡なプレーに見せてしまう。しかし長嶋は、逆に平凡な打球をわざと難しそうに捕球し送球して観客を喜ばせようとしたというのだから「達人」「名人」の域を超えている。
私より上の世代には徳光アナのように長嶋茂雄を崇拝している人も居るが、私も例の脳梗塞絡みのスキャンダルが報じられるまでは長嶋茂雄と吉永小百合は日本国民にとって皇室に最も近い存在だったのではないかと思っていた(吉永小百合はいまだにそのポジションにいると思っている)。
翻って大谷翔平はどうか。昨今の大谷フィーバーはとどまるところを知らないが、ここにきて彼の存在は日米において野球人気(特に若年層の人気)を他のスポーツに対して引き上げる起爆剤と言われる。さらにプライベートの言動など一挙手一踏足が神格化され、まさに皇室じみてきた様に感じる。
これはいよいよ長嶋茂雄の領域に入って来たかと思っていた矢先、つい先ほど終了したワールドシリーズ第2戦でドジャーズは山本の好投で連勝したが大谷は盗塁を試みて左肩を亜脱臼してしまった。おお、これは大変だ!野球ファンや契約企業のみならず全国民が彼の容態を心配している…ほらね!

【WS第2戦で負傷した大谷翔平(MLB公式Webより)】
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*1:本件に関しては下記ブログご参照。
・ゴジラは怪獣じゃないんですよ | Saigottimoのブログ
Saigottimo