2024年6月14日(金)、渋谷・SEABIRD第二金曜(2金)ライブ。今回のテーマは「雨の日に聞きたいジャズ」。そしてこの日は出雲井さんの前任者で初代2金ディーバの瑛子さんがカナダから訪日していて参戦してくれた。久しぶりにお会いするが彼女のチャーミングさは相変わらず健在だ(*1)。

【中川さとし(Pf)、小島幸三(Ds)、岩井千尋バンマス(Tp)、榎本任弘(B)、加藤求実(Ts)】
PROGRAM(各曲名⇒けいちゃん限定公開動画にリンク)
1st.set
1 Are You Real (千尋&求実)

2 Solar (山内恵英&求実)

瑛子さんはカナダではライブで歌う機会がなく専らカラオケで歌っているとの事。そして「All the Things You Are」はそのカラオケでのコンテストで1位になったとの事。そりゃそうだろうなあ、と納得させられる歌唱である。
3 All the Things You Are (瑛子&求実)


4 I Wanna Be Around (瑛子)

前任者に敬意を表してか「瑛子さんと違って私はいつまで経っても色気が無くて・・・」と色気の無さを自虐ネタでウリにするこの日の出雲井さんだが雨モノをしっかり聴かせてくれる。タイプは異なるものの、やはりディーバはディーバでありその輝きは流石だ。
5 Rain (裕美&千尋)
6 Here's That Rainy Day (千尋&求実)
7 No Problem (千尋&求実)
2nd. set

1 Nostalgia (恵英&杉山尚子)

2 Mambo Inn (千尋&尚子)
私はライブで歌うのは15年ぶりとなる「Over the Rainbow (虹の彼方に)」にした。虹(rainbow)は雨(rain)が降った後で空にかかる弓(bow)を意味するらしい。ノブ高橋さん(as)に「一緒に演ってもいいですか?」と聞かれたので、バンマスのご了解の下にシットインしてもらうことにした。

この曲は言わずと知れたMGM映画「オズの魔法使い」(1939年)で少女ドロシー役のジュディ・ガーランドが歌うためにハロルド・アーレンが作曲して、知り合いの作詞家アイラ・ガーシュイン(作曲家ジョージ・ガーシュインの兄)に相談し、最終的にイップ・ハーバーグが作詞した(*2)。

原詞は専門サイトを見て戴くとして今回朗読するためにナンチャッテ和訳して気付いた事がある。それは少女の夢に託した“ユダヤ人の祖国に対する悲願と希望“である。この曲が出来たのはイスラエル建国(1948年)以前であり、アーレンもハーバーグもガーシュインも祖国なきユダヤ人である。
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虹の彼方のどこか遠いところ
とても高いところに、かつて子守歌で聞いた、あの国がある

虹の彼方のどこか遠いところ
そこは空が青くて、夢が本当に叶うところ

いつか星に願いをかけるとき
私は雲のはるか彼方で目を覚ます

煙突のてっぺんより遥かに高いところ
そこではどんな悩みもレモンの雫のように溶けてしまう

虹の彼方のどこか遠いところ
そう、青い鳥が飛んでいるところ

幸せを呼ぶ小さな青い鳥が、虹を越えてゆけるなら、
きっと私も、きっと私も、飛べるはず

translated by Saigottimo
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そして現実のイスラエルは現在大変な状況に直面している。現実は常に希望や理想とは乖離しているものだが、だからこそ我々人類には常に理想や希望を含めたファンタジーが必要なのだろう。2千年前に神がユダヤ人に約束した地カナン(現パレスチナ)に幸せの青い鳥が飛ぶことを切望して止まない。
3 Over the rainbow (Saigottimo&ノブ高橋)

4 Let's Do It (瑛子&千尋)
5 Chuba (裕美&求実)
6 Come Rain or Come Shine (恵英&求実)

7 Blue Monk (全ブラス陣)

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*1:前回の瑛子さん降臨は下記ブログご参照。
遥かカナダからディーバ降臨す | Saigottimoのブログ
*2:この楽曲については下記ブログご参照。
20世紀の名曲No.1はこの曲! | Saigottimoのブログ

Saigottimo