昨年亡くなった漫画家ジョージ秋山の代表作「浮浪雲」の主人公は妻帯者でありながら、いつも「おねえちゃん、あちきと遊ばない?」とナンパしまくった挙句に愛想をつかされてフラれる。これは「付き合った女をフるのは三流、キレイに別れるのは二流、女から愛想つかされてフラれるのが一流」という美学だそうだ。

 

確かに自分の方から相手をフると一見カッコいいようだが、相手に恨まれたり後々面倒なことになるが、相手から愛想つかされて自分がフラれるなら後腐れはない。だからドンファンのように次々と多くの相手と色恋遊びをする“一流の遊び人”になるには、きっとその方が都合も良いのだろう。

 

カントリー音楽のスタンダードに「リリース・ミー」という曲がある。この曲は、まさにそんな“プレイボーイ”(女性が歌う場合は“恋多き女”)を地で行くような主人公が現時点の恋人に対して語る実に都合の良い「別れ話」の歌だ。いつものように原詞は歌詞専門サイトを見て戴くとしてナンチャッテ和訳をするとこうなる。

-------------――――――――

私を手放し、解き放って!
私はこれ以上貴方を愛せないから
お互いの人生を無駄にするのは罪でしょう
私のことを愛しているなら、どうか手放して!

私は新しい恋にめざめてしまったから
いつもあの人の近くにいたいと思うから
あの人の唇は温かく貴方の唇は冷たく感じる
愛する人よ、どうか私を手放し、解き放って!

 

私を手放して!貴方には見えないのかなぁ
このままでは貴方は私にしがみつく愚か者に

なってしまうということが…
お互いの人生に痛みをもたらすだけだし


だからもう私を手放して!そうすることで、

どうか、もう一度貴方を愛させて

 

(Tranlated by Saigottimo)

-------------――――――――

 

よくもまあ、いけしゃあしゃあと抜かしやがって!」と呆れてしまうような都合の良い御託を並べたものである。ここまで言われたらさすがに相手も怒って「ふざけんなっ!こっちから願い下げだい」と啖呵を切ってしまうだろうが、それこそ相手の“思うツボ”、「また愛想をつかされてフラれちゃった」となるのだろう。あーあ

 

フるのが三流でフラれるのが一流というなら、私は三流にはなれなくても一流にはなれるかも?と一瞬思ったが、いやいや、これは付き合ってからの別れ方であって、「お願いします」「ごめんなさい」というフラれ方では付き合ってもらえないから三流にすらなれないということだし、そもそも「お願いします」も怖くて言えないなら何をかいわんや・・・。

 

この1954年作の古いカントリーソングを大ヒットさせたのは「ラストワルツ」等でも知られるエンゲルベルト・フンパーディンク(「フンパーティング」ではない)。1967年に55週連続全英チャートインしてギネス記録となり(最高1位)、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のチャート1位獲得を阻止した(全米では4位)。

 

彼は1960~70年代のイギリスであのトム・ジョーンズと人気を二分するエンターテナーで、自伝では派手な女性遍歴も紹介したというから、この曲を地のまま歌えたのかも知れない。2012年には最高齢記録の76歳でユーロビジョンコンテスト英国代表に選出されており、現在もご存命で85歳!せめて歳だけでも迫りたい。

 

♪Release Me・・・2000年2月26日、大塚「GRECO」ヴォーカルセッションにて♪

 

Saigottimo