小学校では図工だけ「5(最高評価)」で他は全部「3(普通)」だった私は「老後は絵でも描こう」と思っていたが、65歳の退職を機に歌や朗読のように誰にも習わずに始めようと思い立ったことは先日の記事で書いた通り。その後は、思い立つと下記のようにクレパスなどでグジグジと自由に絵を描き続けている。

 

【Saigottimo画伯の最新作】

 

しかし「図工」は「図画工作」だから、図画だけじゃなくて工作もあると気付いた。私はカミさんに「口先小手先男」と呼ばれるだけあって昔から手先が器用。ならば金がかからない工作として先ず折紙を折ってみた。レパートリーとしてすぐに折れるのはカンガルーで、これは脚の角度を調整すると、ちゃんと両足だけで立つ。

【折り方は鶴とほぼ同じで簡単!】

このカンガルーには思い出がある。45年前の成人記念に欧州を貧乏旅行で巡った際、別の記事に書いたスイスでの逸話の数日後、当時は東ドイツ内の飛び地だったベルリンにフランクフルトから列車で入る途中、コンパートメントで一緒になった東ドイツの親子連れの幼い男の子に、このカンガルーを折ってあげた

 

子供はビックリして喜び、母親は笑顔でグラッチェと言ったが、父親は眉一つ動かさず怖い顔で「君が降りるのは次の(西ベルリンの)ズールガーデン(動物公園)駅だよ」と私に告げた。当時東ドイツ側の軍事設備等を写真に撮ると連行されるらしく、私が降り際に監視塔を撮ろうとしたら親切な老婆が慌てて止めてくれた。

 

私は列車を降り、チャーリー検問所経由で数時間だけ東ベルリンに入った後、西側に戻ってハノーヴァーに向かった。検問所でパスポートと私の顔を交互に睨んだ東ドイツの検問官の眼は、あの列車の父親と同じく鷹のように鋭かった。その後ドイツは統一されたので、あの時、数時間だけでも東ドイツに入れて良かった。

 

私が子供の頃から家にあった立派な折紙の本(昭和45年マコー社刊「暮らしをかざるおりがみ」高濱利恵・著)を出してきて、そこからシャム猫を折ってみた。これは完成写真が英字新聞紙で折ってるせいもあり、なかなかオシャレでインテリアにもなりそうだが、結構ムズい。でも折る過程自体が「知恵の輪」的な面白さもある。

【このシャム猫は結構、難易度が高い】

これらの折り方を創案する折紙作家の創造力と表現力は凄いと思うが、その手本通りに折る事に絵を描くような創造性を発揮する楽しさはない。但し、正方形の紙を折っていき最終的にこれだけの立体造形物を作っていく過程はワクワクするし、幾何学的な脳トレと指先の神経&筋トレになるので高齢者にも向いている。

 

私がダイニングテーブルで折紙をしていると30歳になる長男が夕飯を食べに来たついでに「親父、この水牛を折ってくれよ。オレ、難しくて折れなかったんだ」と昔の子供向け絵本を指して言う。成程、この図じゃ子供には難しかったろうなと思いながら折ってやると「お、すげーじゃん!」と珍しく父親をリスペクトした様子だった。

 

Saigottimo