私はウォーキングは万歩計で歩数目標を決めて達成を目指す一方で、ゴルフはスコアを付けないことを推奨している。では、ステージパフォーマーとして歌や朗読をする際、自らのパフォーマンスを録音したり録画して後から振り返るのか、またそうすべきなのか、というのが本記事のタイトルとなっている問いかけである。
私の答えは明白にYes!であり、可能な限り録音や録画をして振り返る事にしているし、誰しもそうすべきだと考えている。何故なら、そのパフォーマンスをお客様に聴かせ、その姿をステージで晒しているからだ。思い出したくないほど酷い出来だったとしてもお客様に見せておいて自分だけ耳目を塞ぐのは無責任極まりない。
ウォーキングで「目標」歩数を設定するのは「目的=健康」でその実現に向けて歩くための有効な「手段」だからであり、私がゴルフでスコアを付けないのは歌や朗読と同様「目的=楽しむ事」で上達は目的ではないからだ。ならば歌や朗読もゴルフ同様に楽しければ良いから上達のための録音や録画は不要ではないか?
その通り。自分の上達のための録音や録画(やその振り返り)は不要なのだが「上達のため」ではなく、お客様に晒しているパフォーマンスをしっかり「自ら認識するため」に必要なのだ。それを自分で振り返った結果「これじゃ恥ずかしくてダメ」とプライドが許さないなら許せる状態になるまでステージに立つべきではない。
プロから素人までレベルに関係なく、ステージパフォーマーにとって自らのパフォーマンスを録音や録画で振り返るのはとても辛く苦行である事が多い。でも、それをお客様に晒しているという現実はしっかり直視すべきであり、その上でお客様(や共演者)に感謝して続けるのか、ステージパフォーマンスをやめるのか、である。
録音や録画で振り返ると大抵の場合は「酷い」と感じるはずだ。何故なら日常的に見聞きしているパフォーマンスはプロのレベルであり、それと自分のパフォーマンスを比較してしまうからだ。もし自分のパフォーマンスがプロレベルなら「酷い」とは思わないだろうが、私などは当然、「やっぱ、ヘタだなー」と毎回自覚させられる。
「こんなにヘタでゴメンナサイ」と心の中で詫び、聴いて(観て)下さるお客様や一緒に演じて下さる共演者に感謝しつつ、それでも歌も朗読も“自分が楽しむために続けたい”と思っているのだから本当に図々しいことこの上ない。それを自覚し、自覚し続けるために録音録画をして振り返り続けるべきだとすら思っている。
その一方、ステージでは「私はプロじゃないんで~、今回が初演なんで~、ヘタなんですけど~」等の言い訳は一切無用!と心している。これは私をステージに導いてくれたSEABIRD一金ライブ初代バンマス和田氏の薫陶「ステージではプロもアマもないよ」からである。判断するのはお客様、演者は黙ってベストを尽くせばよい。
上記の覚悟の下に、自らのパフォーマンスを振り返って来て気付いた事がある。それは「今回は最悪だ~」と思った時の録音を嫌々聴くと意外とそれほど酷くないのだ。一方で「今日は良かったぞ!」と思った時の録音を聴くと、これまた思ったほど良くないのだ。やはり演じている側の感触は主観的だからなのだろう。
ギャラリーが居るプロのアスリートは別として、我々がするゴルフやジョギングは自分が上達したり楽しんだりすればいいだけだが、ステージパフォーマンスは「お客様がいてナンボ」である。自分自身が演者として主観的にどう感じようが、お客様の視点で客観的に振り返るには、やはり録音や録画は有効なのだと私は思う。
Saigottimo
