私は“スタンダード・ヴォーカリスト”などと格好を付けて名乗っているが、要するに“古い歌しか歌えないジジイ”である。一般的なジャズ・スタンダードは1920年代以降のミュージカル等が中心だし、私が好きなのは1950年代~60年代初頭のポップスのスタンダード、いわゆる“オールディーズ”と呼ばれる音楽である。
つまり、私はビートルズ以降(1960年代後半以降)の、ロックをベースとした音楽にはどうも馴染めないのである。例外的に1970年代のロックオペラ「ジーザス・クライスト・スーパースター」のアリア「私はイエスがわからない」が好きで学生時代から歌っていたことは既にこのブログでも書いた通りだが、基本的にロックは苦手である。
では、そんな私にとっての“最新のレパートリーは何なのか”というと、あの盲目のシンガー・ソングライター、スティービー・ワンダーの「ステイ・ゴールド(LIFE ~ Stay Gold)」である。この曲はシングルカットもされてないが日本のベストアルバムには収録されており、テレビCMなどで何度も使われたのでご存じの方も多いだろう。
この曲は映画「アウトサイダー」(1983年)の挿入歌として監督のフランシス・コッポラの父親が作曲し、スティービー・ワンダーが作詞と歌を担当したらしい。原詞は歌詞サイトをご参照戴くとして、歌詞がとても詩的で美しいので、私は歌う前に例によってナンチャッテ和訳詞を“歌わない訳詞”として朗読することにしている。
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「人生 ~ 輝きづつけて(LIFE ~ Stay Gold)」
つかまえよう、遠い昔のあの瞬間を
あっという間に、とても若くて天真爛漫な君がそこにいる
そして君は気付くだろう、あの頃がとても輝いていた事に
あの頃に戻ろう、全てが永遠に続くと思っていたあの頃に
でも、やがて知ることになる、どんなに輝きつづけていても
変わらぬものなどこの世にはない、天気のように
本当にそうなのか、こんなに鮮やかに見えている思い出も?
でも、君がそうだと言うのなら、きっとそうなのだろう
あんなに輝いていた太陽でさえ、光を残して消えていくように
一日は去っていくのだから・・・
人生、それは、ほんの瞬(またた)くほどの時間だけど
想像できないくらい、哀しみと慈しみにあふれている
起こり得る全てのことは、みな古くなっていくものだ
それがどんなに美しく、どんなに輝いていたとしても
(Stevie Wonder & Carmine Coppola, 訳詞:Saigottimo)
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どこかでこの曲を歌った際、若い人(といっても30代?)に・・・
「あ、この曲、知ってますよ!」と声をかけられた。
「そうですか」(お、やっぱり若い人なら知ってるんだな)
「なんて言ったかな、あのぅ、ほら、有名な“懐メロ”ですよね!」
「え…?」と私は一瞬、絶句してしまった。
だって私としては、あのマイケル・ジャクソンとも共演したスティービー・ワンダーの曲だから“超”最新ヒットだと思っていたのに。でも、考えてみれば1980年代のヒット曲だからその当時でも既に30年以上前。う~ん、30代なら自分が生まれる前だから1920年代だろうが1980年代だろうが、まあ、「懐メロ」と思うのは仕方ないか。
「ええ、『ステイ・ゴールド』ですよ、あはは」と笑って答えたけどね。
♪Stay Gold 2003年4月4日SEABIRD第一金曜ライブでの録音・・・橋本さんのギターが素晴らしいです♪
Saigottimo
