その夜 何を作って食べたのか全く記憶にない。
ワインを数本買って、赤ワイン1本開けたことしか覚えてない。
スーパーからの帰り道、今一番何がしたいと聞いたら、
“誰も知らない土地に行って、やり直したい。” と言っていた。
どこにでもいけるとしたら今どこに行きたいかと言う私の問いに
“オーストラリア”
何の変哲も無い応えに結構がっかりした。
それはただ単にオーストラリアには長期滞在で2回も行っているので、
奴が突然
“じゃあ、オーストラリアに行ってくるから!”
と言われてもたぶん一緒に行きたいと思わないからだった。
食事を終わらせてからの奴は具合が悪そうだった。
禁断症状といえば、タバコぐらいしか分からなかったし、タバコですらまともに当時やめられたためしが無かったから
薬物の禁断症状など想像の仕様も無かった。
朝4時過ぎに奴がうなされて汗をびっしょりかいていた。 奴が寝ていた下のシーツまでビショビショになっていて、くさかった。
奴は寒いといってがたがた震えていた。
ビショビショのTシャツから、すべて脱がし、お湯でぬらしたタオルで体を拭いた後、
奴が乾いた服に着替えている間ににシーツを代えた。
そのフラットに引っ越してきて、初めてクイーンサイズのベッドを買って、
奴が始めて一緒に寝た男だった。