これから5日も会えないというのに
奴は鼾をたてて寝始めた。
それが薬のせいだと分かるのはずっと後のことだ。
疲れてるのかな?寂しいなと思いながら、朝の2時半ぐらいに出張の準備のために自宅へ戻る。
出張とは言っても、仕事をするのは数日だけだ、荷造りにはそう時間は掛からない。
シャワーを浴びて、とりあえずベッドに入るが
早朝のフライトといろいろなことが頭の中をよぎり眠りは浅い。
家を出る前に、パスポートと海外用の財布をとり、中を見る。
あったはずの4~5千円がきれいにない。
数日前に仕事に行く支度をしていたときに 背後できらっと光ったように感じた
奴の視線を思い出す。
“まさか”と思う。
Denial(否定)
は中毒者と相互依存(Co-dependent)で関わる人間がする
代表的なことである。
その時は奴が、私を傷つけるような事をするはずないと硬く信じていた。
そしてその後、そう硬く信じるあまり、
どんどん深い傷を負っていく事になる。