2024年は、再生の年です。
不正にまみれた政治を刷新し、コロナ禍で疲弊した医療・介護現場を立て直し、社会保障削減や負担増を撤回させ、防衛費倍増ではなく国民生活を豊かにするために税金を使わせ、憲法改悪を阻止し、安心して働き続けられる職場をつくるため、行動し、声を上げることを提起します。そして、戦争・紛争が一日も早く終結し、避難している人々の生活が立て直されることを願います。
そして、能登半島大地震で被災された方々にお見舞い申し上げるとともに、一日も早く生活が立て直されるよう祈ります。
6月2日、オール埼玉総行動の集会に参加してきました。
以下、集会の概要をまとめます。
まず、協賛団体の紹介、各地連絡会の代表の紹介が行なわれました。
主催者あいさつは、小出実行委員長が行ないました。
小出さんはたくさんの参加へのお礼を述べ、雨が降らなかったことは天が私たちに味方していると述べました。
さて、今、日本は戦争する国にするかどうかの極めて重大な岐路にあると指摘しました。
岸田政権は演奏する国へ突進しており、憲法9条の専守防衛に真っ向から反する敵基地攻撃能力保有を容認し、そのために安保3文書をつくり、南西諸島へミサイル部隊を配備し、トマホークを爆買いし、外国へ武器を輸出し、数えきれないやりたい放題だと述べました。そして、憲法記念日に9条へ自衛隊を明記する改憲への意欲を示したと指摘しました。
自衛隊が米軍の指揮下に置かれようとしており、それは日米軍事同盟の根幹を覆すものであり、日本がアメリカの戦争に巻き込まれる危険性が増した大転換であり、絶対に許す訳にはいかないと述べました。
岸田首相はアメリカで歓迎されて喜んでいたが、アメリカにとっては日本は鴨がネキをしょってきたようなものであり、歓迎しない訳がない、いったいどこの首相なのかと述べました。
国民の怒りが頂点に達している裏金問題は全く明らかにされないまま、裏金づくりの張本人の自民党の改正案は企業団体献金に全く触れず、政策活動費も手付かずのままだと指摘しました。
こうした状況を覆し、金権政治を一掃するには選挙に勝つしかなく、そのためには市民と野党が共闘するしかないと述べました。そして、3補選が野党が共闘すれば勝てると示していると述べました。
子や孫に平和を引き継ぐために力を合わせましょう、諦めたら民主主義は終わりであり、頑張りましょうと呼びかけました。
続いて、後援団体からのあいさつが行なわれました。
埼玉弁護士会からは上田裕副会長があいさつしました。会長がコロナウイルス感染症に罹患してしまい、代理だとのことでした。
オール埼玉総行動は2014年に始まり、今年で10年になりますが、皆さんの熱気は10年前以上であり、高まる一方だと述べました。
安倍政権の集団的自衛権行使容認の閣議決定から始まり、岸田首相は安保3文書を閣議決定し、防衛費の大幅アップを行なっていますが、抑止力による平和は実現していると思うかと問いかけました。ロシアのウクライナ侵略、イスラエルのパレスチナ攻撃をあげ、自衛権を名目にした戦争が行なわれてきたことから、抑止力による平和は間違えだと明らかだと述べました。
フランクリン大統領は、「良い戦争と悪い平和はあった試しがない」と述べたそうです。
集団的自衛権によって戦争に巻き込まれる危険性が増すのは自明だと指摘しました。
埼玉弁護士会は平和を目指して行動しており、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を求める総会決議や、安保3文書の閣議決定撤回を求める会長声明を出してきたそうです。
平和を愛する皆さんと協力して、戦争のない平和を実現していきたいと述べました。
連合埼玉の大谷事務局長は、平和への切なる願い、戦争のない社会を願う気持ちは同じであり、9条に自衛隊を書き込むことは平和を守ることにはならないという一点で協力したいと述べました。
安保法制は自衛隊が海外で戦争する道を開き、多くの法律家が憲法違反だとしていると指摘しました。さらにそれを強化するのが安保3文書であると述べました。
憲法9条は多くの国民が支持しており、自衛隊は日本の防衛を担うために必要な組織だと多くの国民は思っているが、9条に自衛隊を書き込めば周辺との緊張が高まると指摘しました。
多くの国民が声を上げ続けることが重要であり、連合埼玉としても協力することを約束すると述べました。
埼労連の宍戸事務局長は、オール埼玉総行動は第13回となり、その最初から後援団体として3団体が協力してきたと述べました。
オール埼玉総行動の歴史を振り返って、今の政治への国民の怒りから様々なイデオロギーの違いを乗り越えて結集し、いろいろな妨害がある中で、闘っても前進ができなかった時もあったが、私たちは頑張って市民と野党の共闘を進めてきたと述べました。そして今、自民党を瀬戸際まで追い込んでいると述べました。
また攻撃をしてくるだろうが立ち向かっていき、自民党政治を終わらせようと呼びかけました。
続いて、ゲストスピーチが行なわれました。ゲストスピーカーは日本体育大学の清水雅彦教授でした。
清水先生は、2021年にもオール埼玉総行動で発言してくださったそうです。
オール埼玉総行動は全国のトップを走る行動だと述べました。共闘に埼玉弁護士会、連合埼玉、埼労連の3団体が入っているのはここだけだそうです。
従来の政府解釈では、戦力とは自衛のための最低限度を超えるものであって、それを超えない実力なら持てるとしてきました。それは屁理屈ですが、国民が9条を変えたくないと思っているため、自衛隊の海外派遣の禁止、武器輸出禁止三原則などの制約があるから、自衛隊は他国のような戦力ではないとしてきたと述べました。
しかし、自民党政権がそれらを取り崩してきたと指摘しました。
反対する側は「敵基地攻撃能力」と言うが、自民党はそうは言っていないそうです。「敵地攻撃」、「相手国攻撃」、「全面攻撃」だと言うべきだと指摘しました。
先制攻撃を可能とし、武器輸出禁止三原則は防衛装備品輸出三原則に変えられ、戦闘機の共同開発が行なわれるようになり、集団自衛権行使が容認され、防衛費GDP比1%枠が2%とされました。防衛費はどんどん増やしていくことになり、5兆円台だったのが2023年度は6.8兆円、2024年度は7.9兆円となっているそうです。このままでは日本は世界第3位の軍事大国となってしまい、そのために増税が行なわれると指摘しました。しかし、消費者物価は3期連続で上がっており、労働者の実質賃金は24か月連続でマイナスとなっているそうです。
また、所得税の最高税率は75%から45%に、法人税の最高税率は43.3%から23.2%に下げられ、代わりに導入されたのが消費税で、3%、5%、8%、10%と引き上げられてきたと指摘しました。
上場企業の役員報酬は、1位のZホールディングスが48.7億円で、ソニー、武田薬品、トヨタなどが上位にあり、10位もZホールディングスで9億円だそうです。本来ならこうした人たちからもっと税金を取るべきなのに、庶民が買い物をする度に10%取るのはおかしいと指摘しました。たばこ税も上がり、たばこ1本につき3円が防衛費に回されることになっているが、たばこと防衛費に何の関係があるのかと問いかけました。喫煙者は肩身の狭い思いをしているが、防衛費については声を上げるべきであり、応援すると述べました。
自衛隊は「実力」とされていますが、安保3文書を具体化すればますます憲法と自衛隊がかい離していくと指摘しました。
憲法を変えさせないためには、安保3文書の阻止が重要だと述べました。
防衛費よりも社会保障や教育にお金を回すべきであり、1兆8,000億円で高校無償化ができ、4,000億円で小中学校の給食を無料にでき、5兆2,000億円で医療費無償化できると指摘しました。
しかし、岸田政権はこうしたことはやりません。安倍元首相は、首相になったらやりたいことがありましたが、岸田首相は首相になりたいだけで、だから言ってきたことを簡単に変えるのだと述べました。「聴く耳」と言っていましたが、聞いたことを書くノートはとても小さいノートで、アメリカや財界のことでいっぱいなのだろうと述べました。
岸田首相はここへ来て、私たちの声を聴くべきだと述べました。
2021年、改憲勢力が国会の4分の3となり、予算委員会中に憲法審査会を開くようになったそうです。立憲民主党が止めてきましたが、維新の会の馬場代表が、改憲できていないのは「国費の無駄遣い」だと批判したためだそうです。しかし、それなら万博をやめるべきだと指摘しました。そして、憲法審査会は憲法違反の安保法制を審査するべきだと指摘しました。
国民は改憲を望んでおらず、総選挙で統一教会と裏金の自民党を減らさなければならないと述べました。そして、維新の会を野党第一党にしてはならないと述べました。
そのために、労働組合と市民と野党の共闘を強め、政権交代を目指しましょうと呼びかけました。
次に、政党からのあいさつが行なわれました。
立憲民主党の小宮山泰子衆議院議員は、オール埼玉総行動の集会にはほぼ出席していると述べました。国会議員7期目となり、永田町は変わってきたそうです。かつて国会には戦争に行った世代の人たちがいたが、「その人たちがいなくなったからが危ない」と田中角栄元首相が言っていた言葉通りになっていると述べました。小宮山議員は母の父が戦後すぐに病死しており、戦争がないことが何よりも大切だと述べました。世界ではウクライナ戦争で穀物が値上がりし、経済活動も危うくなっていると指摘しました。「新しい憲法のはなし」を読み返し、全国民が呼び返すべきだと感じたと述べました。戦争によって家族がいなくなる辛さがあったからこそ、国会で審議され、日本国憲法ができたのだと指摘しました。憲法を守るために全力で協力していきたいと述べました。
日本共産党の塩川鉄也衆議院議員は、裏金問題は全く腹立たしく、皆さんも同じ思いだと思うと述べました。自民党総ぐるみの汚職に関わる大問題だが、まともな真相解明は棚上げされており、これではまともな法案が出て来ないのは当たり前だと指摘しました。自民党の修正案は、企業・団体献金は聖域のままで、政策活動費も温存し、報告の要旨も削られ、国民監視が後退していると指摘しました。公明党も維新の会も同じ穴のムジナだと述べました。憲法違反の政治に審判を下し、市民と野党の共闘を進めていきたいと述べました。市民連合の共通政策には、集団的自衛権を許さないことなどが含まれており、こうした方向へ前進させていくべき時だと述べました。3補選がその結果であり、その流れを総選挙へつなげていくべきだと指摘しました。平和な日本の憲法9条の下で外交を前へ進めるべきであり、共に頑張りましょうと呼びかけました。
社会民主党の佐藤征治郎さいたま市議は、本来なら福島瑞穂党首があいさつに来るはずだったが、公務のため欠席することを伝えました。頑固に平和、くらしが一番が社民党のスローガンだと述べました。佐藤市議は1939年の生まれで、終戦の日の前に6歳になったそうです。秋田県の鉱山の町で生まれ育ち、毎晩防空壕に入っていたそうです。その経験から、沖縄の人たちは東京大空襲にあった人たちはどんなに恐かったかと思うと述べました。そして、ウクライナやガザの人たちことも想像できると述べました。しかし、自民党の人たちには想像できないと指摘しました。佐藤市議は中学二年生の時から政治活動をしてきたそうですが、それは差別をなくすには政治だと考えたからだそうです。今、戦前に戻ってきている気がしてならないと述べました。「戦争反対」と言うと、「攻められたらどうするのか」と言われるが、攻められないようにするのが政治であり、そのために憲法9条がある指摘しました。理想論と言われるが、理想を求めるのが政治であり、孫子を戦争に行かせないために死ぬまで憲法を守るためにたたかうと述べました。
新社会党埼玉県本部の村田文一委員長は、多くの人が集まっているのは岸田政権、自公政権への怒りであり、情けない思いを半年近くしていると述べました。1月1日、能登半島地震が起こってからちょうど5ヶ月になりますが、約3,000人がまだ避難しており、そのことから国がどこを向いて政治をしているかがわかると述べました。野党がさらに対策を求めていかなければならないと指摘しました。東松山市で10区の集いが開かれ、裏金問題の学習会を行なったそうです。自民党政権への怒りから、政権を変えなければならないと述べました。新社会党は小選挙区制になった時に立ち上げ、平和、人権、環境、正義が4つの柱であり、今は国会議員はいないが30年頑張ってきたと述べました。憲法改悪を許さず、軍事予算拡大を止め、人権を守る立場で、皆さんと共に市民と野党の共闘を進めていきたいと述べました。自公政権を変えるという一点で頑張っていきたいと述べました。
ここで、配付されたプラカードを掲げて、「9条こわすな」、「戦争させない」とアピールを行ないました。
続いて、リレーアピールが行なわれました。
医療生協さいたまの揚野医師は、無料定額診療事業の取り組みをしているが、要件に当てはまらず、必要な医療にかかれない人もいると述べました。川口駅の夜回りにも参加し、厳しい路上生活をし、車が多く通る地下道で寝ている人とも関わっているそうです。今の政治はよからぬことにお金も能力も使っており、その前に必要としている人たちに使うべきだと指摘しました。
埼労連の渋谷さんは、建交労に所属しており、建交労は失業と貧乏に反対し、戦争に関係する輸送を拒否していると述べました。教職員組合は二度と教え子を戦場へ送らない、医労連は白衣を戦場の血で汚さないをスローガンとしていると述べました。ガザへ食糧を輸送する車両が攻撃されているが、日本政府は戦争を止めず、金儲けしようとしていると指摘しました。戦争体験者や被爆者の声を聴くべきだと述べました。
埼玉土建青年部の加藤さんは、昨年50周年で、青年フェスタを成功させたと述べました。青年部でも情勢学習を行ない、悪法反対の声をあげたいと述べました。
祖母が満州生まれだという青年は、満州について調べて平和の大切さを知ったと述べました。祖母が引き上げて来られなかった自分は生まれていないと言われ、戦争を身近に感じたそうです。戦争させない、平和を守ることを続けていきたいと述べました。
日本大学法学部で安全保障を研究している青年は、若者憲法会議に携わっている立場から発言すると述べました。日本が今、戦争に向かっていることは共有できることであり、軍拡で福祉や経済にしわ寄せがきていると指摘しました。しかし、他の国が恐いから軍事力は必要という若者もいるので、そうした若者には憲法や国連憲章などを学ぶ機会をつくることが大切だと感じていると述べました。今の政府は、他国が恐いということを利用しようとしていると指摘しました。
埼教組の方は、先生の人員不足のため、産休に入る人が「すみません」と言って入っていると述べました。代替が来ず、担任が空いてしまっているそうです。働き方改革と言うが、今いるメンバーで何とかしろという状況であり、給特法の残業代分4%を10%とするというが、実際の残業には見合わないと指摘しました。教育予算の増大を求めますと述べました。本来、授業の中で人格形成を行なうべきだと述べました。教員を増やし、しっかり授業を準備し、子どもと向き合えるようにしたいと述べました。先生になりたいと思える学校現場にしたいと述べました。
埼高教の方は、特別支援学校では先生も学校も教室も足りないと述べました。武器を買っている暇があったら教育へ予算をつけるべきであり、これからも様々な団体と協力して頑張っていきたいと述べました。
この集会には約6,500人参加したと報告され、集会アピールを確認して終了しました。
集会後は、浦和駅までパレードを行ないました。シュプレヒコールでは、「軍事費削って医療(介護、福祉、教育、くらし)に回せ」などを訴えました。
以上で報告を終わります。