ここで論点を整理します | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

「自己責任」をめぐる議論はまだまだ続いております。ここで一つ、箇条書きにして論点を整理しておきましょう。


まず、私が今議論をしている相手が高遠さんを批判する理由は、以下のような点にあると私は理解しています。


1.高遠さんは危険地域であるイラクに行き、退去勧告に従わなかったために武装勢力に拘束されて人質となり、日本政府に救出のために税金を使わせるという迷惑をかけた。


2.にも関わらず、9条世界会議で「9条で命が守られた」という発言をしたということは、日本政府や日本国民に迷惑をかけたことを反省していないということだ。


3.まだイラクへの人道支援を続けているということも、日本政府や日本国民に迷惑をかけないように危険な行動を回避するという冷静な判断ができていないことの表れである。


そして、最初の記事に護憲派はあまりコメントやトラックバックをしないけど何故なんでしょうという意味の文章があり、その記事を書いた翌日にその方は私のブログにペタをしました。時系列では、私が「9条世界大会全体会の感想」を書いたよりも後のことになります。

こうしたことは、実際に高遠さんの発言を聴いた私に対してコメントなり何なりの反応をしてほしいという考えの表れだと解釈し、議論を開始しました。


まず、私の1の点に対する反論です。

高遠さんは確かに危険な場所に自分の意志で滞在していたということに関しては反省する立場をとられています。しかし、彼女達を拘束した武装勢力は人質解放を引き替えにイラクから自衛隊を撤退させることを日本政府に要求しており、日本政府が政策として行なったことに原因があって起こった事態に日本政府が責任を取るのは当然のことです。また、国民が国に税金を納めているから国が成り立つのですから、国は国民の命が危険な時にその税金を使って国民を守る義務があります。上記の通り、高遠さん達が人質にされたのは日本政府が自衛隊をイラクに派遣したということに原因があったのですから、日本政府がその解決のために税金を使うことは当たり前です。それについて日本国民納得がいかないのなら、選挙で与党に投票しないことで不支持を示せばいいのですから、人質になった個人を非難する必要性はないと思います。


2の点に対する反論です。

9条世界会議での高遠さんの発言は、「イラクで人質とされた時、自分達は丸腰で、イラクで困っている人達を支援するために来たということを説明し、それが理解されたために殺されなかった。非武装という9条の精神を実行することによって命が守られた」という主旨です。ただ9条があったから命が守られたと単純に言っていた訳ではありません。(新聞記事には発言の全ての内容が書かれていた訳ではありません)


3の点に対する反論です。

高遠さんは自分が危険を冒してしまったことについては反省し、イラク支援を再開した当初は直接イラクには入らず、紛争状態にないヨルダンなどの周辺国からカンパをイラク人ボランティアに送金するという活動をしています。その後、彼女自身が直接イラク入りすることがあったのかどうかまでは未確認です。現在の活動については彼女のブログで確認することができます。私はまだ最近のものしか目を通していませんが、危険なことをなさっているとは見受けられませんでした。

こちらがそのブログのアドレスです。

http://iraqhope.exblog.jp/


以上のことから、相手の方が高遠さんを批判したことは事実を正しく知らずに行なった誤った行為だと私は考えます。