効率化のためのポイント(4) | 特許翻訳 A to Z

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1992年5月から、フリーランスで特許翻訳者をしています。

■ すべての機能を使おうとするのをやめる
何か改善したいことがあって、その目的に合いそうなソフトを探すときには、ひとつのソフト全体を「まとまり」として見るのではなく個々の機能に注目します。
そして、条件に合うものを見つけたら、そのソフトの他の機能については気にせず放っておくことです。とにかく、すべての機能を使おうと欲張らないことが大切なのです。

これは、分からないことを調べるときの姿勢とも共通しますね。
たとえば、辞書を何冊引いても載っていない単語や意味のよく分からない文があって、書店に本を探しに行くとします。そして、その単語の訳や意味(解説)が載っている良書を見つけたら、どうしますか?

欲しいのはたった一ページ、あるいは一段落……。でも、それが目の前の翻訳に役立つのであれば、そこだけのために手に入れる。これと同じです。
使わなかった残りの数百ページは、以後いちども読まれることがないかもしれません。あるいは、ずっと後になって違うページが役に立つ日がくるかもしれません。それは誰にも分かりませんが、将来また違う場面で違うページが役立つのなら、それを使うまでです。

ソフトも、目的に合う機能があるのならば、まずはそれだけに注目します。
100の機能のうち、使うのは1つ。よいではないですか。

これが、長い目でみたときに自分の仕事を究極まで効率化するコツです。将来何か別の点を改善したいときに、手持ちの駒で活用できそうなものがあったらそれを使えばよいですし、なければ他をあたります。

手持ちのソフトの機能を使いこなせないと悩んでいる方、そのソフト「全体を」活用しなければならないと思い込んでいませんか?
実際に活用できている人がいるのだし、自分も同じようにできなければいけないと思い込んでいませんか?

人は人、自分は自分です。仕事の条件も違えば作業スタイルも違います。
他の誰かにとって有用だからといって、それが自分にも有用だとは限りません。逆に、誰も知らないようなマイナーなソフトの中に、自分にとっては神様のようなソフトがあってもよいのです。

そのマイナーなソフトのたったひとつの機能しか使わないとしても、それで目的が達成できるのならば十分でしょう。もっと、気持ちを楽にもってみてくださいね。