この旅のラストは大徳寺塔頭、瑞峯院です。
戦国時代の豊後(大分県)のキリシタン大名として知られる大友宗麟が、大友家の菩提寺として創建しました。
室町時代に建立された方丈、唐門、表門は重要文化財に指定されています。
今回こちらを訪れた目的は、方丈前の『独坐庭』。
重森三玲さんによって作庭された、寺号・瑞峯をテーマにした蓬莱山式庭園。
荒波を受ける険しい岩礁の半島を表現しています。
この波紋の大胆さ、ダイナミックさはとても印象深く、ぜひ間近で鑑賞したいと思っていました。
一方、西の入り海は穏やかな風景を表しています。
茶室へと続く飛石、、、瑞峯院には3つの茶室があります。
『餘慶庵』『安勝軒』『平成待庵』。
『平成待庵』は千利休が唯一残した二畳の国宝茶室『待庵』を、利休400年忌に因んで復元したもの。
ちなみに『待庵』は乙訓郡の「妙喜庵」にあり、どちらも予約をすれば見学ができます。
そしてこちらは方丈裏の『閑眠庭』。
同じく重森三玲さん作庭です。
別名『十字架の庭』。
縦4つ、横3つの石が配され、見る角度によって十字架が浮かび上がるように施されています。
大友宗麟を偲び造られました。
“関守石”がありました。
茶庭や露地の飛び石や延段の岐路に捉えられる石。
これより中に入ることは遠慮されたし、という意思表示。
さり気なく置かれてるのが良いですね。
方丈東側の坪庭。
閑眠庭の十字架の起点となっているキリシタン灯籠(織部灯籠)があります。
キリシタン灯籠とは、江戸時代のキリスト教が禁じられていた時代に、ひっそりと拝まれていた灯籠。
記号やマリア像が彫られていますが、言い逃れができるように曖昧なデザインになっているそうです。
武将で茶人の古田織部による創作とされています。
知らないと素通りしてしまいそうなものも、調べてみると物事や歴史が学べるから楽しい。
今回の京都、向かうエリアが離れていたので時間的に少し心配しましたが、無事に全て回ることができたので良かったです。
そしてなんと、自分でビックリ!
京都に通いだしてから今年20年目でした。
奥深い京都、今後も旅していくことは間違いありませんが、もう一つの夢‘日本全国制覇の旅’の方を積極的にしていこうかなと考えています。
ご覧いただいた皆様ありがとうございました。