哀愁から遠く離れて~ジェフ・ベックはジェフ・ベックだからカッコいい! | 音楽でよろこびの風を

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世間を騒がす夫婦音楽ユニット 相模の風THEめをと風雲録

おとなげない大人が

ギターヒーローを悼む。

 

こんにちは。

相模の風THEめをとのダンナ

いしはらとしひろです。

 

素晴らしいギタリスト、ジェフ・ベックが亡くなってしまった。

78歳だから、お歳といえばそうだけれど、でもまだまだ早いよなぁという気持ちが強いです。

 

僕がいわゆるロックコンサートに、初めて行ったのがこのジェフ・ベックさんだったのだ。

ロックも外タレも初めて。

武道館も初めて。

 

1980年の12月。

アルバム「ゼア&バック」を出した直後のツアー。

 

 

何しろ初めてですから、何を見ても聴いてもいちいちびっくりしつつ感動していたような気がします。

 

武道館ってでかいなぁ(その通りだ)


うわ、大きい音(そりゃロックのライブですから)

 

ジェフ・ベックってすげーギターうめ~~(そりゃジェフ・ベックですから)

 

まぁ、そんな阿呆な状態になって口あんぐりで見ていたのでした。

最初がこの人だったのですから、そりゃもう永遠の人です。

アルバムを全部買っていたわけではないけれど、でも主要なアルバムは大体聴いているかな。

第二期ジェフ・ベックグループは抜けているから、ちょっと聴いてみよう。

 

ジェフ・ベックの魅力は進化し続けていたこと。

ふつうある程度の歳になって、それなり以上に栄光だの名誉だのも手にしたら、なかなかチャレンジをしなくなるじゃないですか。

ジェフ・ベックはそういう意味で進化し続けた人。

音遣いやフレーズに強い特徴があるけれど、それだけでジェフ・ベックと認識されるくらいになったら、普通はそれを一生弾き続けると思うんですよ。

 

それでもいいし、そういう人はたくさんいます。

 

でも、そのテイストは残しつつ、21世紀になれば、また新しいジェフ・ベックのフレーズを生み出している。そして当然のことながらかっこいい。

 

そう、なんといってもジェフ・ベックの弾く音はカッコいいのだ。

実もふたもない言い方だけど、カッコいいものは強い。

 

そしてあまり人間的な情感を感じさせない音。

たとえば泣きのギターなんて言い方があるじゃないですか。

ジェフ・ベックは、そういうのとは関係ないところでギター弾いていた。

哀愁~なんて言葉から一番遠いところにいた人だと思う。

 

ブルース的な音遣いもするけれど、いわゆるブルース感覚は希薄で、もっとなにかわけのわからないものだった。

 

そのわけのわからなさもカッコよさの一部なんだろうな。

 

むしろ宇宙とか吹きすさぶ風とかを感じさせる。

ある意味、壮大な風景描写的な。

 

僕の好きなアルバム「BBAライブインジャパン」の一曲目はスティービー・ワンダーの名曲「迷信」だけれど、あのギターのカッコよさは単にハードロックのカッコ良さではなく、何かもっと得体のしれないものだ。

そのちょっとの不気味さと圧倒的なぶっちぎり感。

 

 

 

ジェフ・ベックはジェフ・ベックだからかっこいい、という

何の説明にもなっていない言葉でしか語れないようなジェフ・ベック。

だからこそ僕は好きだった。

 

 

僕が聴いた中でのジェフ・ベックのアルバムベスト3

・BBA ライブインジャパン

・ブロウ・バイ・ブロウ

・フー・エルス

 

 

 

最後にジェフ・ベックを評した素晴らしい言葉を紹介しますね。

人から聞いた話なので、ほんとにそう言ったのかはアレなのですが。

日本を代表するギタリスト、チャーさんがジェフ・ベックとセッションした時に、こう感じたそうです。

「オレはギターを持ったらいつでも高校生に戻ったつもりでいる。

だけど、ジェフ・ベックには参った。あいつはギターを持った中坊だった(笑)」

 

なんて素敵な言葉。

 

ジェフ・ベックさん、ありがとうございました。

ゆっくりとお休みください。