さすらいのタケルさん~31 災害は神様の力でどうにかならないのですか? | 音楽でよろこびの風を

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世間を騒がす夫婦音楽ユニット 相模の風THEめをと風雲録

よろこび製造所へようこそ!
相模の風THEめをとのダンナ
いしはらとしひろです。

タケルさん、こんにちは。

「今回は大変じゃったな」
台風19号のことですね。
タケルさん、心配してくださって
ありがとうございます!

僕の大好きな
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)さん
台風のことも気にかけてくれてます。
 

 


ねえタケルさん、災害の時によく思うのですが、
神様はそういうことから僕らを
護ってくださるのではないですか?

「護ってるさ。こうみえても」
で、でも、今回の台風で亡くなった方も
100人近くいますし、関東東北長野山梨と
広範囲にわたって、河川の氾濫や
土砂崩れなんかが起きました。
護ってくれてるんなら、
なぜ亡くなる人が出るんです?

まさか、それも必要なこと、

 

 

なんて言わないでしょうね!

「おい、何をカリカリしておる?
よいか、八百万の神が

精一杯護った結果がこれなのだ。
それ以上は求めるな。
勘弁しろ」


しません。
しませんよ。
もし神様の力でどうにかできるのなら
こんな形で死を迎える人を
一人も出したくないんです。

「一人も人が死ななくなると、
それはそれで大変なことになるな」
いや、僕が言っているのはそういうことではなく
災害なんかの不慮の死をなくしたいんです。

「だからそれは無理なんだって。
もちろん我々は全力で護っている。
だが、人の生き死には
基本的に神々でも力の及ばないところなんだ。

そうだなぁ、ヒントは出すことはできるのじゃ。
たとえば避難するなら今だよ、とか
このタイミングで川に近づいちゃ行けないよ、
くらいのことはな。
だが、そのヒントにすべての人間が
気づいてくれるとは限らぬし」

ヒントってそんな曖昧な。
もっとはっきり教えてくれれば良いのに。
その前にそもそも台風なんか、
日本に上陸させなければ良いのに。

「アホか、お前は。いや、子供か??
だいたい何をそこまで感情的になっている。
少し落ち着け」

うむ、僕が今日はちょっとおかしいかもしれない。
何か気持ちが ヘンな方に昂ぶっている。

「よいか、日本人は自然と共に生きてきた。
これは良い側面だけではない。
豊かな緑 海の幸 
風光明媚な素晴らしい景色 五穀豊穣
そしてそれを裏で支えているのは
火山の噴火や台風や川の氾濫や地震なのだ。
素晴らしい恵みと 天災と呼ばれるような 
荒れ狂う自然とは
表裏一体。陰陽。ワンセットなんだよ」

えっ?

「そうだな。
では、簡単なたとえを出そう。
今日からずっと、
春のうららかな天気がずっと続くとする。
それは幸せか?」
ええ、それはもう
楽園みたいなもんなんじゃないですか?

「お前は最近マシになってきたのかと思ったけれど
やっぱりアホじゃのう」
いいですよ、わかってますから。

「おっと今度はいじけた答えか。
まぁよい。
いいか、春のうららかな天気が
『ずっと』続くんじゃぞ。
少しでいいから想像力を働かせてみぃ。
春の好天といえども、
それが一年続いたらどうなる?
雨の一滴も降らないと言うことだ。
日本中の川の半分は干上がるぞ。

一年間気温がそのままだったら

作物の三分の二は実らぬぞ」

それは困ります。
「わがままなやっちゃなぁ」

そんなことはもちろん僕だって
わかっていた。
でも、今日はタケルさんの
いや、神様のせいにしたかったのだ、
この一連の災害や、その余波を。

どうにもできなかったくせに って。
まぁ駄々っ子ですね、今の僕は。

ねえ、タケルさん。
先日の天皇即位の礼の時、
午前中に雨が降ったのは
天叢雲剣の剣、

つまりあなたの持ち物の効果
でも即位式の時の晴れ間と虹は、

天照大神のおかげ
なんて言われていますけど、
そうなんですか?

「天皇の即位の時じゃからな。
それくらいのことはな。
なにせ日本古来の神じゃから。
今の天皇はワシの子孫でもあるからな」

あの虹は感動しました。
でも。ということは。

「ということは?」
タケルさん、あなたたち、神様は
やっぱり天気だってコントロール
できるんじゃないですか。
じゃあなんで………

「あのなぁ、今回の災害は
ワシらもできるだけのことはした。
その結果がアレなんじゃよ。
責めるな」
つまりタケルさんたちの力を超えていたと?

「この前の即位式のように

部分的に、小さな変化だったら
起こせることもある。でもな」

でも?

「台風だの大噴火だのと言う
いわば地球レベルでの動きは

どうにもならないのじゃ。
そこまでいくと天御中主神のような、
日本の、いやさ地球の始原に関わる神

が動かしているのだ」

天御中主神さんは

人間の命なんかどうでもいいのですか?
「短絡するな、アホウ。
地球レベルで見たら台風一つなんぞは
ちょっとくしゃみをしたくらいのものだ。
それに長い目で見た場合、
今は災害でも そのことが
大地を豊かにすることにもつながったりするしなぁ。
地球レベルでバランスをとるために
起きていることなのだ」

でも………

「お前がそんな風に言いたくなったのは
お前の住んでいる町も被災したからか?」

………
………
………
ええ。

今日もまた大雨で氾濫、冠水が多く出ていますし。
もうたくさんです。

「だが。
意地悪を言うようだが、今までの災害で
お前は大して気持ちを
動かさなかったことも結構あったよな。
なぜ、今回はこんなに気になるのだ?」

そうですね。
ホントに勝手かもしれませんけど、
この1ヶ月千葉や地元相模原や
友人の住んでいる長野や福島、そして関東一円
僕がその土地の様子をある程度知っていたり
友と共に歩いたりした町が、
ひどいことになってしまって。
被災した人の痛みが、
今までより伝わってくる気がするのです。

「そうか。その気持ちをよく刻んでおけ。
人の痛みを知る、というのは

なかなかできないのだ。
なにせ、人は自分の経験と、
その時点での知識に縛られるからな。

天気がどうにかなってそれが災害につながりそう、
と言う時に人ができることは限られておる。
災害に備えて準備をしたり、避難をしたり。

自分に災害は及びそうにないが、

他の地域は危ないかも
なんて言うときは 祈るしかないのだ」

祈るだけ、ですか。

「そうは言うが、祈りは効くのだぞ」
そうですね。
僕もタケルさんにこの半年色々と教わって、
そういうことも学んだはずなのに。

「そして、それが過ぎ去った後に
もしも傷跡が深かったりしたら
順番にやれることをやるしかないではないか。

理不尽に思えるかもしれないが
人の世は理不尽に満ちておる。

だが、ちょっと見る角度を変えると
慈愛に満ちておる。

お前がこの前

相模原、津久井の災害ボランティアに行った時
お前の他に何人来ていた?」

ええ、あの日は百人くらいかと。

「いいか、平日に百人もの人が
大して有名でもない町の災害援助のために
駆けつけてくれるんじゃ。

若い学生もおれば、結構いい年のおっちゃんも

頑張っていたな。
捨てたものではあるまい。

そしてもちろん、

それ以外にも物資援助や募金
情報共有などできることはたくさんある。
20人に一人、そういうことに手を貸すだけで、
だいぶ状況は変わるんじゃ」

そうですね。
それはそうだ。

「神でもどうにもならないことはたくさんある。
でも、そこからよくしていこう というのを
後押ししたりするのが、神の力だ。
大丈夫だ、まずはお前自身を信じろ」

 


 

最後まで読んでくださった あなた。

ありがとうございます。

 

 

 

さすらいのタケルさん その30はこちら

さすらいのタケルさん その32はこちら

 

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※註 この文における

わたくし いしはらと

日本武尊の会話は

すべて いしはらの

脳内で行われているものです。

 

 

 

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