希望のひまわりは旅をする レコーディング振り返り日記 その3 | 音楽でよろこびの風を

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世間を騒がす夫婦音楽ユニット 相模の風THEめをと風雲録

今年の元日に発売した 相模の風THEめをと のニューアルバムCD「希望のひまわりは旅をする」お陰様で好調な出足です。
聴いて下さった方の感想も 肯定的なものが多く、ホッと胸をなで下ろしてます。

このアルバムのレコーディング自体は、この日から始まりました。
2012年9月16日(日)。
まず、ギターをちゃんと録音できるためのガイドクリックの制作。そこから入りました。
最初に録音を始めたのは アルバムの一曲目に入っている「海賊」です。

今回のアルバム、前の振り返り日記でも書きましたが ギターと声以外を極力使わない、打ち込みも使わない、と言うのをコンセプトにしています。
人力でなるべくやりきろう、と言うのが基本。
曲によるのですが、ガイドリズム(≒メトロノーム)を録音の時に使うかどうか、と言うのはかなり微妙な問題。
一線のプロは もちろんガイドリズムにほぼぴったりに合わせられます。
ただ、僕クラスだと、ガイドリズムがあるから正確に弾けるか、と言うとそうでもない。
そこまで上手くない(言ってもうたぁ)。

まぁ、ガイドリズムがある方が正確に弾こう、と言う気になります。
ただ、問題なのはガイド通りぴったり弾けたから佳い演奏か?というと、必ずしもそうではない。
微妙なタメや突っ込み、リズムの揺れが良い味になることも多いのです。
そして僕はそう言う演奏の方が好きだ。

んだがしかし。
ガイドなしで録った最初のテイクは、かなりがたがた。リズムよれよれ。
ガイドさんに頼ることにしました。
まぁ、ガイドリズムを使ったって、揺れるところは揺れるんですが。

特に今回のように ドラムやパーカッション類を入れないと リズムギターの揺れは、もうあからさまに分かってしまいます。
言い方を変えるとドラムなど、演奏の核になるリズムがばっちり入っていると、そのほかの楽器は少しくらい揺れていても、まず分かりません。
逆にそれが味になって聞こえたりします。
また、全ての楽器があまりにジャスト、リズムの縦線がばっちり合いすぎていると、これはこれで変。気持ち悪い。
まぁ、今の音楽のほとんどはリズムの縦線ばっちりのレコーディングなのですが、これも曲によりけりだと思っています。
テクノ系の曲などは、リズムの縦線がばっちりじゃないと、気持ち悪いけれど、そうでない音楽もたくさんあります。
猫も杓子もモモンガも、みんなばっちりリズム、と言うのは 僕には少々気持ち悪い。

なので、大げさに言うと、今主流のレコーディング方法とも闘いながら 録音作業を進めたのです。揺れるリズム万歳!(我田引水 苦笑)。

この「海賊」そういう意味では 納得いく感じに録れました。
ガイドを聴きながら弾いているから、おおむねリズムは正確。でも適度に揺れがあって自分的には気持ちいいと思っています。

冒頭に入っている効果音は 2012年9月30日に録りました。
その日は大嵐。録音は無理だなぁ、と思っていたのですが、あ、そうだ、この風雨の音を録音して使おう、海賊にぴったりじゃん。と思い、急遽録音機材をセットして、家の窓からマイクを出して録音しました。
また、いつか使ってやろうと思っていた「カリンバ(親指ピアノ)」と組み合わせて、ちょっと神秘的な雰囲気になりました。
この音は偶然が運んでくれた、でもこうして仕上がったものを聴いてみると、この部分になくてはならない音。神様、ありがとうございます。

この「海賊」は実はレパートリーとしては、凄く古い曲。
ソロ時代からやっているのですが、まだ、二十代の頃に書き上げた曲なので、かれこれ20年以上歌っています。
ただ、今まできちんとレコーディングする機会がなく、でも曲のバランスや兼ね合い、それに今回の録音コンセプトを考えると、ちょうどよく、『録るなら今回だぁ』と思って入れた次第です。

次回は「未来のボクたちへ」について書きますね。


海賊 試聴


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