ビジネスの本質を見誤ると… | 20代中小企業経営者の日常

20代中小企業経営者の日常

職業:中小企業代表取締役

年齢:1989年生まれ。

創業80年以上の企業を継手がいないため入社1年で社長となり、経営しております。わからないことばかりですので、日々感じたこと、参考になることを情報発信出来ればと思います。

パレスチナ問題に引き続き久しぶりに文章を書きます。


現在、日本は円安や世界的なインフレの影響によってありとあらゆる物やサービスの価格が上昇しています。

その影響によって内需向けの商売をされている方は、厳しい状況下ではないでしょうか。


このような状況は、経営者にとっての手腕が問われます。そして、自社のビジネスの本質を見誤ると…会社が傾きます。


今からよくある1つの例を述べます。


Aという、下請けメーカーがあったとします。

10年前までは、安定した利益を出していた企業でしたが、近年、売上、利益が減少し、更には下請け仕事のために価格上昇させることが難しい状況だったとします。

その状況下で、これからは、高付加価値の商売に切り替えオリジナル製品の販売を始めたとします。


あまりにも少ない情報ですが、このAはうまくいくと思いますか?


結論から言うと、自分はうまくいかないと思います。

その理由は、ビジネスの本質を見誤っているからです。

まず、10年前まで何故うまくいっていたのかを考えます。


①OEMで安定した仕事を受注していた。

②OEMに特化するために、販促には力を使わず仕事をこなすことに集中していた。

③②によって余計なコスト(固定費)がかからなかった。

④一定以上の売上が保証されていた。


などが考えられます。

全く新しいビジネスや成長産業であれば、当てはまりませんし、180度違うことをリスクを取ってやるのであれば、この考えが一概に正しいとは、言えませんが継続的なビジネスをされているのであれば、まず上手くいっていた時に何故うまくいっていたのか?を考えるべきだと自分は考えます。


そこにこそ、改善すべき点があり、会社の進むべき点があるのではないでしょうか。


そこから考えるとこの会社が短期間で取るべき戦略は、

①OEMで、新規の仕事が出来ないか営業をすること。

②OEMに集中し、少しでもコストを減らすこと。

③固定費を抑えるために生産方法の変更。

④売上を確保するために、既存の商品の売り方を変えてみること。


だと考えます。

そして、利益が出るようになってから、利益の高い新しい事業をすべきと考えます。


これは、例ですが、

今やっていることがうまくいかないから新しいことをやるというのは、あまりに安直すぎるのではないでしょうか。ということです。

あくまでこの例は、そのビジネスの需要が一定以上あった場合の話しですが、そもそも継続している事業は、日本全国探せばどこかには、需要があります。需要がない事業であれば、それは辞めるしか選択肢がなくなってしまいますので…


そして、下請けをしていた、販売力のない企業が突然オリジナル商品を作ってどこに売るのでしょうか。そもそもその商品にニーズはあるのでしょうか。すぐに売上を増やせるのでしょうか。


ビジネスの本質を見失って、ピンチの時に新しい事業をすると会社は傾きます。


長く続く企業は、このピンチの時に、今まで続けていたことを少し変化させ、存続していると自分は思ってます。


自分も含め、99%の経営者に魔法のような新たなビジネスモデルなんて作れません。


今やっていることがうまくいかないなら、闇雲に新しいことをするのではなく、今やっていることを最大限ブラッシュアップして足元をかためては、いかがでしょうか。


と厳しい時代だからこそ思います。

一寸先は闇かもしれませんが、近道を闇雲に探すより、今まで歩いてきた道を進む方が経営としては、安全だと思う今日この頃です。


王道こそ、最短ルート。


以上です。