この本の著者、藤野さんは投資信託を扱うレオスキャピタルワークスの社長さんです。それ以前にもゴールドマンサックスで長く仕事をされていたので、3000にも上る会社の社長に会い、それらの会社のその後を見てきました。その中で伸びる会社の持つ不思議な法則性を解説した本です。
なのですが。この本読み進むにつれて投資の本と言うよりも会社に対する心構え的な気がしてきました(笑)地元がある産業に特化した地方であった事、祖父がその中でもちょっとした企業の取締役だった事もあって、その産業が地方ごとどうなっているかを考えながらダメになる会社の条件を読むにつけ「あああああ~(汗)」という事が多く見つかりました。ちなみにその会社は昨年末4人目の社長が畳んでいます。この本の条件があてはまったからとは言いませんが、逆にこの本に書かれた法則性はその裏にある取締役や役員、一般社員にいたる会社に対する考え方が透けて見えるものとして、信憑性があると思いました。
で。ふと自分に立ち返ってみると、去年まで会社に着くとスリッパならぬ突っ掛けに履き替えていました(笑)お客様の所に行くに当たって突っかけのままと言う事はありませんが、社内履きに履き替えると言う事はとりもなおさず家から会社までの間に持っていた緊張感を外すということでもあります。電話口でいかにかっこよくお話しても、足元が突っかけでは目に見えないところで気が抜けてしまうでしょう。
勿論リラックスする事でアルファ波を出しやすくして想像性豊かな活動を行いたいと言う職場もあるでしょうが、最終的な品質をアップするのはやはり緊張感が必要と言う事で。程よいバランスが取れる事が肝要ですね。
他にも会社の目指す所(個人に置いてはその仕事の目指す所)をはっきり言えること、分不相応に良い車や社屋を持たないこと、会社や仕事の本質はどこにあるかを意識すること、会社は本来社長や取締役のものではなく、株主のものであり、社員に支えられていると意識すること、とその法則性は自分達の仕事への態度にも当てはまるものが多くあります。これから起業を目指す方、会社を大きくしようとされている方、今の仕事を更にステップアップしようと考えている方には自分の行動の再点検に最適なのではないでしょうか?
この本の面白い所はやはり「スリッパの法則」というタイトルにあると思います。投資信託なんて一見難しい(けれど株で当てようという方には非常に魅力的な(笑))事を語るのにスリッパなんて身近なものでそんなにわかるもんなのか?という疑問が疼きます。なかなか戦略的ですよね(笑)
著者の藤野さんの事はe-womanの対談で「おっとりした感じの人だ」と感想を持っていましたが、投資の話でありながらほんのり楽しく読める本でした。今後個人投資家に向けた投資信託の拡充を楽しみにしている所です。
著者: 藤野 英人
タイトル: スリッパの法則 - プロの投資家が教える「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方