訳はところどころしか書きませんので、授業でしっかり確認してくださいね。教科書ガイドにもありますし。
良秀の言葉が続きます。
良秀|年ごろ不動尊の火炎を悪しく書きけるなり。
〃 |今見れば
『見れば』は『已然形+ば』で、仮定じゃない方。確定。
現代語でも”今見れば解ける問題やった”とか、使います。
炎 |『かうこそ燃えけれ。』
『こそ~けれ』係り結びというやつ。”このようにこそ燃えたのだ”とか面白くないので、”こぎゃん燃えるったい”と訳す。
良秀|と心得つるなり。
it |これこそせうとくよ。
良秀|この道を立てて
〃 |世にあらむには
『立てて』はなんとなく理解。現代語では”身を立てる”はあるけど、”道を立てる”は無い気がする。
『あらむ』=『あら(『在り』の未然形+む(意思)』でいいと思われ。『あり』に、無理に”現”の字を当てはめたい気もしたけれど、無理そう。『現る』(れ|れ|る|るる|るれ|れよ)なので。
〃 |仏だによく書き奉らば
『だに』は”さえ”。古文の『さえ』は”~もまた”。ややこしいですね。
『らば』が出てきました。これは要注意。『らば』と『れば』で頭に入れておくといいのではないでしょうか。
- らば=”もし~ならば” 『未然形+ば』
- れば=”~すると、~したので” 已然形+ば
『未然形+ば』例:奉らば/見ば
『已然形+ば』例:奉れば/見れば
『書き奉る』=”書き申し上げる”で『奉る』はそれ自体意味がなく、へりくだるために使われる補助動詞になります。書かせていただくという下から目線で”謙譲語”です。
家 |百千の家も出で来なむ。
ちなみに他に対する願望の終助詞も『なむ』で、こちらは未然形接続です。(願望=まだしていない=”未然”形、ですね。)『来』の読み方は『こ』。
『来』(こ|き|く|くる|くれ|こよ)は未然形も連用形も終止形も漢字で書いたら同じなんですね。でも、読みは違うので、こういう時こそひらがなで書いて欲しいw。
あなたたち|わたうたちこそさせる能もおはせねば
『わたうたち』
”あなたたち”だそうです。”私達”と思うやんねぇ。めっちゃ間違えたよ。『おはせねば』が尊敬語なので、私達ではおかしいと気が付けばだいじょうぶ。文脈的には私達でもいんだけどね。
『させる』ってなに?
『能』が名詞だから、『させる』は、連体形か連体詞。
形容詞・形容動詞にこんな活用語尾は無いので、形容・形容動詞は却下。
『さ』=”そのように”
というのが文脈的にも魅力があるので『さ+せる』としても、『せる』の落としどころがない。『す』の活用は(せ|し|す|する|すれ|せよ)で、『さする』になりまする。
かくして、これは連体詞と。意味は『さほどの』だそうな。憶えておくしかないようで。
『おはせねば』(いらっしゃる)
『おはせ』は『おはす』の未然形。ここで、未然形接続の心の準備をしておきましょう。未然形とはまだしていないということ。つまりは打消しか未来推量が来ます。そこに『ねば』。
『ねば』=『ね+ば』=打消しの助動詞『ず』の已然形+いつもの『ば』
と読み取れます。
ここで、クイズ。それぞれどんな意味になりますか?
- おはせねば
- おはしねば
- おはせずば
- おはしぬれば
答えは次回。
完了の助動詞は訳し損ねても傷は浅いとおもわれますが、打消しの助動詞はやばいよね。
あなた達|ものをも惜しみ給へ。」
『給へ』となっているので、”あなたたち”に対する発言ですね。敬語は使っていても、えらい言いようですね。
「自分ら(どんどん稼ぐ)才能ないっちゃけん、ものば大切にすっとよ。」
そういえば、このあたりでは確かに”あなた達”を”自分ら”と言うんだった。
良秀|と言ひて
〃 |あざ笑ひて
〃 |こそ立てりけれ。
『て』ですね。
ー |その後にや良秀がよぢり不動
人々|とて
〃 |今に人々愛で合へり。
『が』は現代語の”の”ですね。このあたりでは、所有格の”が”が生き残っていたのだけれど、今はどうだろう。