前回のクイズ
- おはせねば
- おはしねば
- おはせずば
- おはしぬれば
3.4はむしろヒント。
答えは、
- 打消し・確定
- 完了・仮定
- 打消し・仮定
- 完了・確定
〇〇形接続とかで説明してもいいのですが、実際に読むスピードで理解したいので、打消しの『ず』完了の『ぬ』のパターンは把握しておきましょう。
- 『~せず』 しない 『~しぬ』 した
- 『来(こ)ず』来ない 『来(き)ぬ』来た
- 『あらず』 ない 『ありぬ』 あった
- 『言はず』 言わない 『言ひぬ』 言った
動詞の形で打ち消しか完了かがわかります。上下一二段活用の動詞では、未然形=連用形なので、区別がつきません。(例『見ず/見ぬ』)。
あとは、『ば』の前が未然形か已然形かを見ればいいです。
打消し ず |ず |ず|ぬ |ね |〇
完了 ね |ね |ぬ|ぬる|ぬれ|ねよ
『見ねば』(見ていないと・ので/見てしまったならば)は決定不能です。類似例が出てきたら考えましょう。
次にゆく。
写経用にどうぞ。
和泉式部保昌が妻にて丹後に下りけるほどに京に歌合(うたあわせ)ありけるに小式部内侍歌詠みにとられて詠みけるを定頼中納言(さだよりちゅうなごん)たはぶれて小式部内侍ありけるに丹後へ遣はしける人は参りたりやいかに心もとなく思すらむと言ひて局の前を過ぎられけるを御簾(みす)より半(なか)らばかり出でてわづかに直衣(のうし)の袖を控へて
大江山いくのの道の遠ければまだふみもみず天の橋立
と詠みかけけり思はずにあさましくてこはいかにかかるやうやはあるとばかり言ひて返歌にも及ばず袖を引き放ちて逃げられけり小式部これより歌詠みの世に覚え出で来にけりこれはうちまかせての理運のことなれどもかの卿の心にはこれほどの歌ただいま詠み出だすべしとは知られざりけるにや
