はなの無防備な寝姿です。
静かと思ったらこうして寝ています。ところ構わずです。
テーブルの椅子の下。まだこれなら良い方です。
台所はまだホットカーペットを敷いているので、ところ構わず寝転ぶのです。
奥さんが流しで洗い物をしてふと気づくとすぐ傍で伸びています。
踏まれることなど少しも気にしていない。
避けてくれるのが当たり前と考えているに違いないのです。
ふと私は「兎に角どうするのだ」という決断に迫られます。
はなのように出来たらどれほど良いか。
ところ構わず寝られる神経を持ちたい。
飼い猫という不自由はあるかもしれないが「兎に角」と迫られることはないだろう。
朝昼晩の食事が唯一の楽しみ。
あとはこうして寝ているか、家の中を探検しています。
それでいて外が気になるらしく時々窓辺に坐ります。
網戸越しに見える世界に興味があるのです。
時間にして5分ほど。ふと気が変わったのか窓辺を離れます。
もしかしたらこの瞬間、はなも「兎に角どうするのだ」と決断に迫られているのかもしれない。
気の遠くなる日常。それは一瞬かもしれない。
私とはなの共有する時間は永遠ではないのです。
しかしこの日常は決して気の遠くなるほどではない。
する事のない時間を持て余し、「兎に角」と尻を叩く。
だからこそだろう。「兎に角どうするのか」と自問する。