長編小説に挑む | さむたいむ2

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今日も元気で

いま長編小説を読んでいます。これがとてもやっかいです。

島津佑子の『火の山 山猿記』で上巻が480ページあります。

村上春樹なら驚かないのですが初見の作家です。たぶん下巻もこれくらいあるのでしょう。

 

そもそもNHKの夕方にやっている連続テレビ小説『純情きらり』の再放送を観たのがきっかけです。

原案ということで同じストーリーではないなと思っていましたが、そもそも「火の山」が富士山であることがドラマではそれほど重要視していないようなのです。

 

桜子を演じている宮崎あおいが主人公というのがドラマですが、小説では笛子の娘、由紀子がどうやら進行役となっているようで、まだ読み始めたばかりなので確かではないのですが、有森勇太郎という叔父の手記を読んでいくという流れなのです。勇太郎は笛子の弟でしょうか?勇太郎の娘、牧子と由紀子は従妹同士です。家系図がまずなければ話が繋がらないのです。そして勇太郎は何かあってアメリカへ渡ります。そして娘はどうしたわけかフランスで生活しています。彼らの渡米には戦争が介在していて、年老いた勇太郎は日本回帰しています。日本語を話すことができるのは彼と妻の広子で、娘や孫たちは英語、フランス語を日常語としていて、日本語だけでなく、日本という国も知らない状態です。

 

そして話が込み入っていくるのは単に日本とアメリカ、フランスといった国情の違いだけでなく、そもそも文化の違いから起こる考え方に戸惑いを持つにいたるという事。これは著者自身、英語、フランス語を習い感じたことなのでしょう。そして津島佑子の分身である由紀子がこれを探り出すのではないか、という想像でしかないのですが、由紀子の母である笛子の夫、杉冬吾が実は太宰治という設定になっています。

 

実はここ間で読み解くには1週間を要しています。別に難しい表現ということではありません。連日の酷暑が原因です。暑さの所為にできないのですが、本を読む気になど成りません。日々座椅子に腰かけテレビを見るという体たらくです。テレビが悪い訳ではないのですが、本を読み出すまでには疲れ果ててしまうのです。この本図書館で借りてきました。なので18日には返却しなければならない。

あと5日で読めるか疑問です。ようやく今日エンジンがかかった状態です。

 

おまけにテレビドラマの方は高校野球などを主にしているので毎日観る事ができません。これにめげずに、まずは暑さなど理由にしないでどこまで読めるかです。

 

追記:ドラマで笛子や桜子の父親役を三浦友和が演じていました。しかし大雨の日に崖が崩れてあえなく亡くなります。彼が小説では勇太郎の父、源一郎で鉱物学者でした。たぶん富士山の研究をしていたはずです。これが小説の根幹となっています。三浦友和の演技が冴えていました。やさしい父親でした。